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第五二八回('14年12月21日 放送)
 「これからこうする」〜参謀がすべての批判に答える〜
 ゲスト: 菅義偉 氏 / 増田寛也 氏

御厨

「結局、消費税見送りの決断の背景となった4月から9月のGDPは、更に下方修正して確定したわけですね。そして日銀短観も良くないという状況で、菅さんは景気の状況をどうご覧になってますか」

「景気はですね、底堅い動きをしてます。4月、9月期もですね、雇用者の総所得、効果は伸びてるんですよ。しかしですね、4月1日から消費税3%引き上げましたね。約8兆円を超える税金を国に納めたと。その影響がやはり大きいということだと思っています。まあその中で、15年ぶりにデフレ脱却の最高のチャンスをアベノミクスによって作る事が出来ましたから、そういう意味で来年の10月からの消費税10%、1年半先送りさせて頂いてですね、この景気を確かなものにして、デフレ脱却を実現したい。これは強い思いです」

御厨

「増田さんはどうですかこの点」

増田

「アベノミクスの次の課題と言うか目標はもうはっきりしていて、基本的にはとにかく給料がどれだけ上がっていくのかどうか。特に中小についてですね。それをどうやって実現していくかだと思うんですね。で、この間、主に大企業が中心でしょうけど、政労使の会議でね、総理が直接賃上げを要請してましたよね。ああいうことも含めて、特に給料をどうやって引き上げるか、経営者にやっぱり考えて頂きたいのと。それにつけても円安になってもなかなか輸出が伸びなくて、むしろ中小に厳しく原材料で影響が出ていると。で、120円超えるとさすがにもう限界感があってですね、だいぶ振れてはいますけどね。だから、この円安でない、と言うんですかね、経済のある程度実力に沿った形の為替をどうしていくのかっていうこと。これはもう国際的な関係ですから、なかなか大変ですけども、やはりそれについてどう対応していくかって事。アベノミクスっていうのはやはり次のね、もう第二ステージに入っていったんだなと私は思いますね」

御厨

「今ね、増田さんが言われた事と関連しますが、アベノミクスに対して残っている心配というのは、要は、株価が高まり、円安が進んで円換算の輸出企業の業績が上がると。一方で、輸入価格が高まり中小が困ると共に、実質賃金も目減りするという。シャンペンタワーの上に注いだ大企業や富裕層への恩恵がですね、まだ、中間層以下に届いていないのではないかと。このデメリットの方の手当てについて、菅さんはどうお考えでしょう」

「私達は、経済全体は間違いなく底上げがあったと思うんです。政権交代をしてですね。ただ今言われましたように、この円安によって良いところと悪いところもあるんですけど、全体としては国益にかなってると思うんですね。ですからその円安によって影響を受ける方、あるいは地方のですね、中小、小規模の皆さんとかですね、あるいは所得の低い方。そうした人達に対してですね、経済対策。総理が指示してまして、年内にここはしっかりまとめて、来年の補正予算にしっかり反映させていきたいと思っています」

御厨

「増田さんはどうですか、この格差はどう手当てすべきと」

増田

「ひとつは今、長官がおっしゃったようにね、補正予算でですね、色々そこをきちんと、特に社会的弱者ですね。それからあと子育て世代に対しての様々な負担ありますよね。そういうところをきちんと手当てするという必要があって、特に急がれますからね、通し予算を待たずにですね、どんどんそういったものを手当てして、きちんとしたメッセージを社会に対して出していくと。で、やはりもう次はいわゆるアベノミクスの第三の矢ですよね。これはやっぱり効果が出てくるまでに数年かかるので、それを第一の矢である程度時間をですね、延ばしてるような感じありますので、ですから来年その第三の矢がね、規制緩和はじめ農業改革とか、いろんな残されたものについてどう進めていくか。これも一方で急がれるんじゃないかと思いますね」