時事放談 トップページ 毎週日曜あさ6:00〜6:45
過去の放送 出演者 時事放談「サロン」 テレビプロデューサーの日々
 
 
第五一五回('14年9月21日 放送)
 「どうする社会保障」
 ゲスト: 塩崎恭久 氏 / 藤井裕久 氏

御厨

「なにせ、130兆円ですよね。このお金ですから関心が高まっているのは無理もありません。塩崎さん、この運用をどのようにしていくおつもりでしょう」

塩崎

「まず一番大事なのはですね、この130兆円、120兆と言うのは、大事な皆さん方がお支払いになっている年金の掛け金、この資金なんですね。これをどうやって年金法に書いてあるように安全かつ効率的に運用するかと。その観点でいくと今までは実は国債に6割以上ですね、偏っていたんですね。こんなことをやってるところ、日本以外世界中に無くて、やはり分散投資をしてリスクを分散して、それで効率を上げて出来る限りリターンを高くしようと、と言う事にみんな腐心して、どんどん変わって来てたんですね、改革が行われてきた。一方ちょっとやはり遅れてきたので、ひとつの国債ってものに偏らないようにしていこうじゃないかと。なおかつそれをやる為にはリスクを分散しますから、これをどう管理して行くかと言う、さっきおっしゃったガバナンスというか、要するに統治をする、チエックをする、そういう安全弁を沢山いれたものにしなければならない。と言う事を今からやろうじゃないかということを実は去年からもうずっと議論してるんですけどね」

御厨

「なるほど、いかがでしょう。藤井さんはこれどうお考えでしょう」

藤井

「この話で、あなたとずいぶんどこかでやってるね。やってるけれどもですね、私はまずこう思っています。証券市場というのは非常に重要なんですね。で、私たちがNISAですな、皆さんがこれを重視するようにして下さったことに感謝してるんですよ。ところがですね、今の総理大臣はあまりにね、株価ばっかりにね、目がいきすぎてますね。僕、戦後70年の総理でね、これだけ株々って言う人はいないと思うんです。それはひとつ注意してあげて下さいよ。証券市場は大変大事なんだと思います。思いますが、株々は良いとは思いません。それからもうひとつ、さっきお話のね、危険の問題ね。あなたが昔やった時ね、国債だって途中で売るんだから危機感はあるんだよと。だけどさ、最後の満期になった時にはね、国債はちゃんと元本返してくれて、元本も返せなくなったらそりゃ国の破綻ですからね。会社の方はですね、場合によってはね、変なふうになっちゃう会社もある訳ですね。だから限度があると思います。そのために塩崎さん随分安全の問題とかおっしゃって、大変大事なことなんですが、私は国債は絶対安全、あるいは国債だったら問題だとおっしゃった」

塩崎

「そうなんです、金利変動リスクと言うのはやはりあって・一時銀行が持ちすぎてて、これで金利が変わったら大変なロスが出るという話があったじゃないですか。それと同じように、全ての物にはリスクがあるので、どういう組み合わせでやるかは、これはもう専門家に任せて。我々は、国民がこの仕組みで運用してくれるなら安全だろうなという安心をもってもらえる、そういう仕掛けが大事なので安全面を沢山ちゃんと兼ね備えたものにしようじゃないかと、いうことにしてるんですね。我々はやっぱり素人ですから、我々が配分を決めたりね、株を増やせとか、そういうことは言うべきじゃないと思うんですね」

藤井

「それはあんまり言わないでくださいよね」

塩崎

「それはもちろん言いません」

藤井

「株を入れるのは良いんですよ。だけどこれは、国債は最終的には補填される。しかし株は会社によってはなくなっちゃう、この問題です。私申し上げたの」

塩崎

「安全に、かつ効率的にやるにはどうするかのベストなアンサーを探しましょうと」

御厨

「どうなんでしょう。具体的には現在は株式の運用が約17%と言われていますが、塩崎さん、これをどのくらいに増やしていく心づもりで」

塩崎

「それはですから申し上げているように分散投資を図りましょうというのが、今回閣議決定もされている訳ですから。その方向で検討するとどういう物になるかは、これは専門家の皆さん方に決めて頂く。ということで、我々がああだこうだ言う事では全くないと思います。むしろ、こういう人達にこういう仕組みで決めてもらえば安心だという仕組みを我々が作る。つまりガバナンスの改革が大事だと言う事を、これも閣議決定で決まってることです。やらなきゃいけないことですね」

御厨

「藤井さん、どうです今の」

藤井

「その通りだと思いますけどね、やっぱり総理大臣がね、株の運用を増やせと言ってるのは間違いありませんからね」

塩崎

「もうひとつ大事な事はね、独立性・自主性を高めないといけないっていうのも大きな要素で。要するに政治が手を突っ込んで株を買えとかいうことを疑われてはいけないので、いわゆるPKOと言われてるやつで、だから仕組みの上でもそう言う事はやらない、やれないというガバナンスの仕組みを作ろうじゃないかと、我々はそう思ってます」

藤井

「総理大臣によく言って下さいよ、本当に」

塩崎

「私の所でちゃんと法律を作りますから」