御厨 |
「さあ、年金の130兆円に上る基金の運用の株式投資の比率を高めると言う事ですね。この政策を強く進めたのは塩崎さんでいらっしゃいますが。このポイントと効果っていうのをちょっと説明して頂けますか」 |
塩崎 |
「これはですね、株に投資をする事が目的ではないんですね。一番大事なのは年金の掛け金ですから、皆さんの、国民の物なんですね。これが安定した運用をなされて、出来る限り高い利回りであることが、年金財政にとって一番良い訳です。実は今までどうしてたかって言うと、なんと全体120兆の6割を国債を買ってたんです。ですから半分以上国債と言うひとつの商品に投資をするというのはすごくリスキーな事なんです実は。だから国債というのは国の物だから大丈夫だろうと思うけども、価格は変動しますから。したがって、リスクを分散して、出来るだけ利回りを上げていくという、それをやって下さいとお願いして。中身についてどれだけとかそういう事は専門家に任せて、出来る限り安全で利回りの高いものにして下さいという改革を今やってるんで。結果として国債からどこかに行くんですから、国債に固まり過ぎないようにするということは、その中に株もあります。しかし外国の株もあるかも分からない、それ以外もあるかも分からない、と言う事なんですね。分散投資と我々呼んでます」
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御厨 |
「なるほどね、藤井さんこの点はいかがですか」 |
藤井 |
「まあ、私はこの金融ですね、非常にばら撒いて、そのために株価が上がった。しかしこれはそれで上がってる訳ですから非常に高乱下する訳ですね、今その状況にあると思います。本当に経済が良くなればですね、これは正しい投資だと思うんですが。今の高乱下の状態でこれを年金にまで使う事に対する疑問を私は持っているんですよ。全てはそう言う事です」
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御厨 |
「今はね、130兆円のうち、株式の運用が基本12%だというふうに言われてます。塩崎さん、これを、どのくらいまでを目指すんですか」 |
塩崎 |
「それはですね、我々は全くそういう数字を言ったりはしません。それは答申委員会というようなものをちゃんと持ってる訳ですから。で、これからも我々はそれを位置付けた新しいGPIFの設置法、これを作らなきゃいけないと言っています。そう言う中で、独立して、政治からも独立して政権からもある程度独立してやらないと危ないんですね、色んなものにあれも買えこれも買えということ言われると。そう言う中でバランスのとれた投資をしていけと。で、年金法には実は、安全かつ効率的に運用しなさいと書いてあります」
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御厨 |
「なるほどね、そうか。藤井さん、今のことについて」 |
藤井 |
「もう一度同じ事言いますけどね、結局その、株というものが、実体経済が良くなって株が上がるのは良いのですが。今は超金融緩和という政策をとる事によって株価が上がる、だからこれ以上上がらないとか乱高下するとかいうふうになっている。これ現状だと思うんです。で、言いにくいけどね、安倍さん少し株に熱中しすぎてるね。私はそう思います。それでね、今までの総理大臣は経済運営のひとつとして株を見ておられた。しかしここまで株にシフトしてる方はほとんどないし、逆のシフトは東条英機ですよ。東条英機はですね、新聞に株の欄があるってのを知らなかったんですよ。これは逆ですけどね。要するに株って言うのはひとつの要因ではありますが、株だけで物を考えると言う経済運営はおかしいと言う事だけ申し上げておきます」
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