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第五〇一回('14年6月1日 放送)
 どうする「直接攻撃されなくても攻撃」で…
 ゲスト: 高村正彦 氏 / 仙谷由人 氏

御厨

「さあ、元外務大臣でアジア情勢にお詳しい高村さん。今回の日朝合意をどうお考えでしょう」

高村

「2008年、私が外務大臣の時にした合意と大体同じような内容の合意なんですね。まあ、私たちがそういう合意をした時は一部の人達から、なんで調査を開始しただけで制裁を一部解除するんだと、こういうこと言う人がいましたが。やはり話し合いに入らないと拉致被害者は帰ってこない訳ですから、あの頃よりは国民の意識がだいぶ理解するようになってきてると、こういうふうに思います」

御厨

「仙谷さんはいかがですか」

仙谷

「おっしゃる通りでですね、勇ましい意見も当時ありましたよね。パラシュート部隊で取り返しにいけみたいな、非常にそういう荒唐無稽な話もあるんですが。やっぱり向こうに政府がある以上、政府と交渉して手順を踏んで生き残ってらっしゃる方をちゃんと返して頂くと言う事をやらなきゃいけないと思います。今度見てみますと意外とやっぱりあれですね、朝鮮総連本部の建物にこだわってらっしゃいますよね。まあ考えてみれば彼らにとっては大使館としての扱いみたいなもんで、色んな情報収集を含めてやってたんでしょうから。これをどうするのかという問題意識は大変強いんじゃないかなというふうに僕は見ていますけども」

御厨

「高村さん、調査メンバーに日本人が入っていないと言う事ですけども、北朝鮮に誠意ある安否の調査をさせるには、これからどういうふうにしたらよろしいでしょう」

高村

「それはその進み具合によってですね、必ずその正確な進展具合をこちらに知らせると。向こうが半歩進めばこちらも半歩進めると。制裁の解除できるものはまだまだある訳ですから。立ち上がった時点で一部解除して、それでさらに有意義な進展があれば、それに応じただけ、相手が半歩進んだらこちらも半歩進む。全然ダメであればまた引っ込む、さらにいつでも制裁またやれるわけですからね」

御厨

「なるほど、そこはずっと注視してらっしゃると言う感じ」

高村

「それはそうです。それとそんなに長くかかる話じゃないと思ってます」

御厨

「なるほど、分かりました。仙谷さんいかがですか、この点は」

仙谷

「まあ高村さんおっしゃる通りじゃないんでしょうか。私はこれは担当大臣も一時やりましたけども、やっぱり良く内情が我々も実際の所わからないですね。それからソウル情報にしても、雲をつかむような話も割と多いし。それから何よりも交渉相手として信頼できる人は誰なのかというですね、やっぱりそこが良く分らない。それから時々最高意思決定者の意志も変わるというような事が、どうもあるんじゃないかと。ただ、だからと言って交渉してはならないと言う事にはならないんで、やっぱりその都度、日本の方は二枚腰三枚腰で絶えず色んなカードを懐に持ってですね、やってくしかないんじゃないでしょうか」