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第四九九回('14年5月18日 放送)
 なるか「安保の歴史の大転換」
 ゲスト: 石破茂 氏 / 武村正義 氏

御厨

「憲法改正が事実上難しいという判断があって、こう変わってきたという感じがするんですけども。石破さんはどうでしょう」

石破

「これはね、憲法改正をしなければ集団的自衛権は行使できないのかって議論はね、自民党で13、14年前からやってますよね。

憲法改正すべきだ、そうしなければどっちにしても集団的自衛権使わなければいけないって立場なんだけど。憲法改正してやるべきだと言う人達と、憲法9条をよく読んでみましょう集団的自衛権は使えないとは書いてない。と、むしろ憲法つくる時の議論では、吉田茂さんが、個別的自衛権もダメなんだって言ったようなものですよ。それから解釈によって個別的自衛権は出来る、集団的自衛権は出来ないと言う憲法はひとつなのに色々と解釈を変えてきました。

で、憲法のために国がある訳じゃないんで。国の独立を守り、国民の生命財産を守るために、この条文をどのように考えるかってことなんです。で、憲法に集団的自衛権だめって書いてあればそれは憲法を変えなきゃだめですよ、書いてありませんね。そして憲法の一番最初には、どの国も自分の国のことだけ考えちゃいけませんよと、そして平和を維持する国際社会で、日本は名誉ある地位を占めるんですよと。こう書いてあるとするならば、最小限の集団的自衛権の行使を閣議で認める。

だけど閣議で認めただけじゃ自衛隊は何にも動きませんからね。だけどそれを国会で法律をひとつひとつ通す。それは安倍さんの言うなりには動かないですよ国会議員たちはね。内閣が仮にそんなことになったとしても、はないと思うけど、陸上自衛隊にせよ海上自衛隊にせよ航空自衛隊にせよ、少しでも動くためには根拠の法律が必要なんです。それをまた議論して、さらに使うか使わないかは国会が事前に承認する。それが自民党の考え方なので、けしていい加減な手続きを踏もうとしている訳ではありません」

御厨

「分かりました。さあ、実現に向けて今週から具体的な交渉が始まります。武村さんどうです、公明党との調整」

武村

「私はまあ、安倍さんの説明もですね、イラストまで使って丁寧にやっておられましたけどね。なんか集団的自衛権っていう難しい問題を分かりやすく説明して頂いたというよりも、なんか集団的自衛権の本質の問題でない枝葉の問題を、国民にアピールしそうな部分だけをぱっぱと取り上げて説明されてる感じがしてね。

これ私の誤解かもしれませんが。やっぱり限定的であろうと、必要最小限であろうと、集団的自衛権を行使するというのは、よその国へ行って日本が戦争するって事なんですよ、単純に言えば。それで、場合によっては日本の自衛隊が血を流すって事なんですよ。で、韓国だって集団的自衛権でベトナムに参加して5000人も死んでると。ドイツもやっとアフガニスタンで参加を決めて、今行ってますけどね、65人ほど死んで、2000人くらいのドイツ兵が負傷してるんですね。で、今大騒ぎになってるんですね。

そういう事態ですから、やっぱり集団的自衛権に賛成とか参加するって言葉では簡単に言えますが、本当に血が流れますから、そのことを覚悟して判断しましょうと申し上げたいですね」