時事放談 トップページ 毎週日曜あさ6:00〜6:45
過去の放送 出演者 時事放談「サロン」 テレビプロデューサーの日々
 
 
第四八八回('14年2月23日 放送)
 「進む本格論戦」
 ゲスト: 石破茂 氏 / 前原誠司 氏

御厨

「靖国参拝でギクシャクしているのに加えて、首相補佐官の発言。『失望したと言われたアメリカ政府に失望』と、応酬した訳でありますが、これは官房長官の指示で削除したと言われてますが。前原さんズバリこれはどうお考えでしょう」

前原

「まずは、民主党政権の時あれだけ日米関係悪くなったと批判しておいて、より悪くしているということは事実であるとはっきり申し上げておきたいと思います。アメリカはですね、同盟関係はボランティアで結んでる訳ではないんですよ。お互いの国益に基づいて同盟関係を結んでいる訳であって、したがって過度にアメリカに甘える、依存するということは私は良くないと思いますし。TPPもそうであるように、同盟国だから、それは色々と激しい議論はありますよ。今までも私も色んな経験をしてきましたけれども、大事なことはそれを水面下でやると言う事ですよ、同盟国は。しっかり水面下でやる中で、そして表ではやはり同盟の強固さというものを誇示しなきゃいけないですね。日米がガタガタして一体どの国が喜ぶのかということを考えてやればですね、どういう発言をすべきなのかどういう発言をすべきでないのかということは、特に私は政権中枢におられる方は考えて頂きたいと思いますね」

御厨

「わかりました。石破さんどうでしょう、撤回はした訳ですけどアメリカの政府に対して失望と言うこの発言ですね。どうお考えでしょう」

石破

「これはすごく自戒を込めて申し上げれば、やっぱり撤回するような発言はしない方が良い。そしてその総理補佐官ですから、総理がそうお考えだということになってしまう訳で。総理ご自身が、私はアメリカが失望したと言った事に失望した、と言ったらどうなるんだろうか。それは側近であれば安倍さんもそう考えているのではないだろうか、というような影響が広がることが、どの国を利するかという事はやはり我々はよく考えなければいけない。また内閣参与は政治家ではないのでそういう経験は積んでいないのでしょうけれども、ここはその、オフレコのつもりだったと言うのは禁句であってですね、この世界にオフレコなぞというものは本当に存在するのかいと言う事ですよね。やはり私ども政権の中にあるものとして、一人ひとりが発言の重さというものにはよく注意しなければいけない、という事ではないんでしょうか。ですからその日米関係を強固にするというのはどういうことなのか、やはりきちんと法律であり、装備であり、運用でありっていうものを実務的に詰めていく事であってね、感情的な言葉の応酬で同盟が強くなったり、あるいは理解が深まったり、あるいはそれによって間違いを正してやるんだというような事になった経験を少なくとも私は持たない」