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第四七二回('13年11月3日 放送)
 「本格論戦」の中で…
 ゲスト: 塩崎恭久 氏 / 藤井裕久 氏

御厨

「塩崎さんは元日銀にいらして、銀行の色々な事情にも詳しいわけですが、今回はその中古車のローンを巡っての暴力団組員への融資と言うことで、しかも230件を2年以上放置してたと。これどうご覧になりますか」

塩崎

「コーポレイトガバナンスが緩みきってる典型みたいなものだと思うんですね。取締役員会に結局報告はされてるんですね。それでいながら放置されていた、と言うことはですね、まず第一に問題意識が無いってことだし、これは調査報告でも言ってるんですが。

しかし、じゃあそれをどうやって本当に体質として、もうずっと続いてるということは体質ですから、体質をどう変えるのかっていうところには、あんまり話が至ってないというふうに私は思うので、根はもっと深いのではないかというのもあります。

ですから、コーポレートガバナンスの問題と、それからもっと広い意味で金融界と反社勢力との繋がりが、もっと非常に深いんじゃないかと言う問題と、それとそういうところがあったとしても本当は金融庁が、きちっと検査監督をしていなきゃいけないけども、ここにも問題があったんじゃないかというのも否めない事実だと思うんですね。

ですから色んな問題がこの中に入っていて、根っこはしかし体質をどう変えるかと、そこをやらないと色々な提案をしてますけどね、色んな提案をしてますけど小手先の事だけでは私はこう言うことはほとぼり冷めたらまた同じことが続くような気がしてならないと思ってますね」

御厨

「藤井さんいかがですか」

藤井

「全面的なことは元日銀マンが言って下さった通りだと思います。私はちょっと違った角度で申しますが。平成の大合併、皆やってるんですよ、他の銀行もね。どうしてこれだけが出るのかと、いつも思ってます。合併しますとね、必ずセクショナリズムになるのは間違いないんですよ。銀行だけじゃなく会社もそうです、みんな何十年とこれで悩んでるんですが、やはり幹部がしっかりしてるとですね、表に出ないように解決していくんですね、ちゃんとね。ところがこの銀行はね、そのものズバリなんですね。3つが全然違ってるのをそのまま是認してるんですね、と私は思います。

ですから、この金融庁も何をやってもらいたいかと言うと、セクショナリズムを打破するような事をやってもらいたいんですよ。難しいと思いますよ。だけどね、3つがあるでしょ。それが皆が好き勝手をやってるはずです。そうでなきゃこんな事に成りえないんです。他の銀行は無いんでしょ、一応ない。みずほばかり出るんですよ。これは私はね、要するにガバナンスの話だろうと思うし、むしろ合併した後の経営者の責任は重い」

御厨

「トップは辞めないと言ってますが、このトップを参考人として国会に呼んで事情を聞くというようなこと。これ塩崎さんはどうお考えでしょうか」

塩崎

「そういう議論も我々の中で出ています。従ってもう少し中身を調べ、金融庁もどうするのかあれですけど、それも1つの可能性として、特に財務金融委員会。ここに呼んだらどうかという話が出ているのは事実ですね」