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第四七一回('13年10月27日 放送)
 「本格論戦」
 ゲスト: 増田寛也 氏 / 浜矩子 氏

御厨

「さあ、安倍総理は華々しく成長戦略実行国会と表明した訳ですね。で、アベノミクス3本目の矢の成長戦略がついに色々出てきたわけなんですけど、さあ浜さん。効果ありとお思いでしょうか」

「と言うよりは、この成長戦略という発想自体がそもそも間違っているというふうに私は思いますね。この見出しにも出ている産業の新陳代謝を促すとか、もう必死になって若返りを図りましょうという、アンチエイジング作戦という感じですよね。

そういうむなしい抵抗をするんではなくて、このやっぱり成熟度の高い経済社会をどういうふうに上手く回していくかっていうことについて真剣に考えていくというのが本来の姿勢だと言うふうに思いますね。

これ、特区っていうやつもですね、特区と言うのは要するにその中では何でもやって良いと言うような、治外法権、やりたい放題エリアを、ゾーンを作りましょうって話ですよね。そんなことをやって経済を盛り上げていく、私は次第次第にこのアベノミクスの成長戦略なるものは、要するに日本のドーピング経済化を目指しているものだという確信を強めていますね。

色んなあの手この手で色んな薬物を次から次へと投与してですね、非常に人工的に一時的筋肉増強を図って、それで突っ走らされていくと。これはやっているとどこかで完全に体調がいかれてくる訳ですから、それは非常に恐ろしいなと思いますね。ドーピングというのは絶対にやってはいけない行為なんだけど、そこがどうも本命であるというふうに見えてきてしまってですね、一段とまずいなと思いますね」

御厨

「成長戦略は浜さんにドーピングと、一蹴されてしまいましたが。これから成長戦略の実施に向けた準備を直接手掛ける増田さんは、こう言われると立つ瀬がないと思いますが。さあ増田さん、どこに効果があるとお考えでしょう」

増田

「昔のね、よく言われていた高度成長期の成長とですね、同じ意味で成長を使っていたら私はやっぱり間違いだと思いますね。問題はやっぱり雇用の場をいっぱい増やすということ。それからもうすでに勤めている人にとってみれば給料を少しでも高くして、生活を豊かにすると。そこに目標を置かなければいけないんでですね。

ですからこれからやる、いわゆる成長戦略と言われてますが。それがどうやって新しい雇用の場につながるかとか給料増に結び付けるか、そこまで含めた成長戦略っていうのをやっていかなくちゃいけない。

それから、その中でね、私はひとつ今までと大きく踏み出す可能性がある、分かりませんけども、と言うのはね、農業の所得保障をやめると、それで減反を大きく制度を変えると。これは地域の疲弊が言われてる時、必ず一次産業、特に農業がもっと活力を増せば地域の様子がガラっと変わっていきます。

減反はね、さすがに本当に限界にきてると思いますね。これだけ農地がいっぱいある中で、その三分の一以上遊ばせておく訳でしょ。ですから、米を選びたい人はきちんと米を選ぶけれども、大豆とか麦とか今良い品種が出てきてますから。それをもっともっと作りたい人達がその人達も選べるし、米をやりたい人達は自由にコメをずっとやりたかったらずっとやると、言う形にしないと、私は減反政策と言うのは形を変えた価格維持政策で、もうやめたほうがいいと、自由に作りたい人はどんどんお米を作らせたほうが良いと思いますね」