時事放談 トップページ 毎週日曜あさ6:00〜6:45
過去の放送 出演者 時事放談「サロン」 テレビプロデューサーの日々
 
 
第四六八回('13年10月6日 放送)
 「消費税8%、経済対策5兆円」
 〜何が良くなるのか〜
 ゲスト: 仙谷由人 氏 / 片山善博 氏

御厨

「小泉さんのこの発言、ズバリどういうふうにお考えですか」

仙谷

「まあ小泉さんの直観力からすれば、今の政治的なイシューとしてね、あるいは国民の感性から言ってこれが正しいんだろうと、正しいと言うか彼はそう思って言ったんだと。僕はだけど小泉さん言う時はですね、やはり自民党で40数年間ですね、原発政策を推進してこられてですね、こういうある種マネジメントとしては誠にお粗末だと、ガバナンスとしては誠にお粗末な、要するに東電を中心とする原子力の推進体制を作ってきた方々ですから、それについての反省と国民に対しての説明がない限りですね、結論だけ今の時点ではこうだろうと、一発大きい声で言えば受けウケが取れるだろうというような雰囲気はね、僕は小泉さんのポジションとしてはいかがなものかというのがひとつ、で、今の時点ではゼロをおっしゃるのは大いに結構かもしれないけど、どのようにしてどういう道筋でその事が出来るのかと、こうしようよと言う事なしにですね、結論だけ言われても、それは私3年前このことに一生懸命関わってきたわけですけども、これはもう大変な難事業になります。これ責任持ってですね、行政として政治としてやるためにですね、どのようにすれば社債マーケットまで含めてですよ、金融マーケットまで含めて安定的にその事を実現できるのか、あるいは家庭の電力料金まで含めてですね、石油や天然ガスの輸入の問題も含めてどうやれば出来るのかと言う事を、政治家であればその道筋を言わなければね、結論だけではね唐突感しか残らないと思いますね」

御厨

「片山さんはどう思われます」

片山

「私はね、小泉さん大事なところをやっぱりつかれたと思いますね。今再稼働の話でギクシャクしてますけどね、その時に規制委員会、安全を確認する委員会がやはり原子炉の安全とか地層がどうだっていうそう言うところをやっている訳ですよね。稼働しても安全だって言う事のチェックをやるわけで、当然これはやらなきゃいけないんですけど。安全であってもですね、どんどん核の廃棄物が出るわけですね、核燃料の廃棄物が。これ非常に危険なものになる訳ですよね、これをどういうふうに何万年以上も管理しなければいけないものをどうやって処分するんですかって言った時にまだ日本は答えが無いんですね。フィンランドは地下に埋める、それを小泉さんは見に行かれたんですけど、日本はフィンランド並みのこともできていなくて、そのうち誰かが何とかするんじゃないかぐらいのことでずっときて、何ともなってないんですよ。ですから実は本当はこの当面の原子炉ひとつひとつ再稼働するかどうかだけじゃなくて、大きな背景としてごみどうするんですかというのは、もっともっと真剣に考えるべきですね」

御厨

「この小泉発言というのは、そういうことへの影響力があるということですか」

片山

「やっぱり原子炉がこの福島の事故で大変な事になった、ああならないにはどうすればいいのかってことに今関心が集中してるんですけど、ああならなくても正常に動いて安全に動いていても、どんどんどんどん危険が貯まってるというこの事をね、ずっと考えないようにしてたんですね。そのうち忘れてしまって今はほとんど何も出てないんですけど、実はものすごく深刻な問題なんですね」

仙谷

「この話はもう20年前からね、トイレなきマンションと言う言い方で、どうするんだと一体全体。だから中間処理が問題だと言う話だけど、最終処分の話は全く皆まあなんとか…という話でしょ。中間処理もそうだけど初期的な処理もですね、こういう事態になってみると一体全体どの地域が受け入れてくれるんですかと、昔はロシア行って頼んでシベリアでどうのこうのとかですね、モンゴルでお願いするとかですね、大気圏外もっていきゃ良いじゃないかとか、そういう色んな無責任な話もあるんだけれど実際問題これは本当に原発をやめようが、今の時点でやめたと、1年後からやめますと言うことを決めようが再稼働しようが、早くこの事についての責任体制を作ってですね、まあ国家主導でやらないと出来ないでしょう。民間会社としての電力会社に任せないと、国家が責任を持つという体制を作らない限りですね、それでも僕はこれ大変なことだと思います」