「私はこの問題は、すぐにあのノモンハン事件を想起しちゃうんですよ。要するにノモンハン事件も国境の問題なんですね。で、日本の私たちは島国ですから、いわゆる国境の問題でよその国と交渉するっていうことにぜんぜん慣れてないんですよね。ですからノモンハン事件というのも国境が日本側が主張してる国境線はハルハ川という川だと。ところが蒙古側、ソ連側が主張しているのはノモンハンという、ホロンバイルの草原もこっちのもんだと言って。わずかな空間だけの争いなんですね。それが結局武力でもって解決しようという日本側の意向が強く先に働きまして、それでそれが、あわや首都戦争になるという所までいっちゃったんですよね。で、日本側は1万8000人くらいの死傷者を出し、ソ連側は2万人ちょっと越えたくらいの死傷者を出すという、大乱戦を4ヶ月にわたってやっちゃったんですね。
あれなんかもですね、正直言えば同じテーブルについて話し合いをすればもう少し何とかなったと思いますが、テーブルにつかないんですよね、もうね。ですからそれを思いますとね、同じような形でこれ、なってるんですね。で、日本としてはたぶんテーブルにつくということは、国有化しちゃったんだと、国境の問題は無いんだと突っぱねておりますからテーブルにつくのは難しいんでしょうけども、でもここは何とかテーブルについて話し合いで解決すると言うことを両方の国が考えるべきだと思いますよ。間違っても日本は自分たちの主張を貫くはいいんですが、武力でもって解決するなんてそんなこと夢にも考えちゃイカンと。これだけは是非言っておきたいと思いますね」
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