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第四五〇回('13年5月26日 放送)
 「自民党1人勝ち」の中で…
 ゲスト: 野中広務 氏 / 古賀誠 氏

御厨

「まずは飯島参与の訪朝ですが、これを野中さんはどうお考えですか」

野中

「結果的に、ひとつの扉を開けることが出来たと。飯島氏ぐらいでなければ、あの北朝鮮にパイプを持って訪朝することは不可能であったと。おそらくソン・イルホ対日大使と話の出来るのは、飯島氏であったと思います。それにしてもやっぱり大使館がある訳ですから、非公式に韓国と中国にはそれなりの連絡をしておくべきではなかったかなと、そうでなかったら、今まで一緒にですね、一緒にミサイルを何回も打とう打とうとする、そう言う行動をこれからも一緒に止めていこう。こういうね近隣の諸国を出し抜いてやった。それは確かに安倍さんが言うように拉致は日本でなければ解決つかない、それはわかります。けれども、他の信頼関係がきちっとしておかなければ、北朝鮮との大きな解決はできないということを私は心配いたします」

御厨

「なるほどね、今こういうふうに野中さんは厳しい見方なんですけど、古賀さんはいかがでしょう」

古賀

「まあ北朝鮮問題はね、野中先生も飯島さん同様大変お詳しくて、何回もお尋ねになってますからね、私が色々と申し上げるのは僭越なんですが。ひとつの扉を開けたという表現、今、野中先生にしていただきましたが。膠着状態の中でですね、何かの行動に出ると言う意味ではね、特に拉致は日本が抱えている一番大きな、のど元に刺さった骨ですから、私もよかったと思いますね。ただ、今おっしゃるように外交というのは勝ち負けではありません。やっぱりしたたかさが大事ですから、そう言う意味では近隣諸国に少し丁寧な水面下の動きはあるべきではなかったかなという思いは致します」

御厨

「なるほど。あの飯島訪朝ののち、北朝鮮の実質ナンバー3の中国訪問というのがありましたが、野中さん、これはどういうふうに読んでおられますか」

野中

「いや私はわかりません。しかし、あの若い指導者が軍隊の人民軍の信頼を得て、一国を引っ提げて行く、しかも経済力は良くなっていると言う表現を私ども聞きますけども、しかし日本のテレビが映すのは、あの若い指導者が、金正恩が手を上げたり、双眼鏡で見たり、あるいは軍隊が歩調合わせて行進するそこへミサイルが行進についていく、こればっかり日本のメディアは映してんですよ。そう言う中でね、解決をするというのは大変難しいことです。その意味において安倍さんが切ったカードは大きいと思うんですが、これが是非成功してくれるように私は祈っております」

御厨

「わかりました。古賀さんいかがですか」

古賀

「まあ中国を北朝鮮の軍の最高責任者が訪ねてると、そこに何か大きな意味があるような気がしますね。もう少し中国と、まあ…中国もそれなりの方々と会談が出来てるようですから、少し冷静に見て行く必要はあるんでしょうね」