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第四四六回('13年4月28日 放送)
 「突入、ゴールデンウィーク」
 ゲスト: 武村正義 氏 / 片山善博 氏

御厨

「さあ、この高い支持率が続いている状況、武村さんはどう思われますか」

武村

「まあ基本的には安倍さんは良くやっているなあと思って見ております。だいぶ一期目に比べると大人になられたというか、発言も非常に的確になってこられたなと思っているんです。私は安倍さんのお父さんの安倍晋太郎さんに自民党時代使えましたので、ただまあ、お父さんはもうちょっと包容力があったしですね、人間的に幅もあった。おおらかさがあったと思うんですが。まあ今度の靖国問題で、韓国や中国に対して、ああいう、わが閣僚は脅かしには屈しないとかですね、かなり感情を出して反発されるところはまだお父さんに及ばないなと」

御厨

「なるほど、片山さんいかがですか」

片山

「あの自民党の総裁選、去年のですね、総裁選とか総選挙の時にですね、まあ安倍さんに対して少し警戒があったわけですね、心配があったわけですね。非常にナショナリステイックな姿勢で出るんじゃないかと。ところが政権につかれたら、自説を少し抑えられて、みんな安心したようなところがあって、それも人気に繋がったんではないかと思うんですね。それから今武村さん仰ったように一回目の反省というかね、失敗の教訓を生かして、本当に私も良く勉強されてると思うんですね。それから景気もなんとなく良くなったような感じがしますから。そんなことがこの高い支持率に繋がってるんだろうと思いますけども。ここに来て、ちょっとこう地が出て、去年の心配がやはり盛り返してきたと、いう状況じゃないでしょうか」

御厨

「まあ興味深いのはですね、その期待する政策は景気回復で、これが大体半分近くなんですね。しかも民主党支持者も4割が支持しているというこの状況。これ武村さんどうお考えになりますか。民主党支持者も4割」

武村

「まあ支持率というのは、国民の皆さんを前に置いて失礼かもしれませんが、結構はかないものでですね。支持される側にとってみれば。おそらく片山さんもそうだっただろうし、私も80前後の支持率が知事時代あったんですけどね。80超えてた支持がありながら、衆議院に出たら20%くらいの人しか書いてくれませんでしたから。そういう現実でもあるんですね。すごくやっぱり柔軟というか、世論もですね、カンカラカンに支持というのではなくて、ふわっと支持してる人が大半ですから。すぐ風向きが変わると動きますからね、あんまり安倍さんも自信過剰になられないほうが良いなと」

御厨

「なるほど、片山さんいかがですか」

片山

「やっぱりですね、安倍さんに対する評価で一番のポイントは景気ですよね。で、円安になった株が上がったっていうことで、それを評価されてる方多いんですけど。最近になってやっぱりですね、円安っていうのは良い事ばっかりじゃなくて、例えば、原油輸入価格が上がる、食料も上がる。で、最近イカ釣りの漁業をやめようと、燃油が高騰する。イカって言うのは光をいっぱい作りますから、それに油がかかるんですね。ですから、そういう負の側面というのが出てきましたから。これがイカ釣りだけではなくて、例えば流通業界とかですね、ひいては国民のひとりひとりの生活に及んできますから。それがこれからどういうふうに支持率に繋がるか、安倍内閣のひとつの正念場がこれから来るんだろうと思いますね」