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第四三二回('13年1月13日 放送)
 「さあ『安倍政権』本格スタート」
 ゲスト: 鴨下一郎 氏 / 武村正義 氏

御厨

「借金問題ですけど、武村さん、民主党の枠の44兆円を大胆に超えたということですけども、いかがでしょう」

武村

「私はすさまじく深刻な数字としてとらえますね。44プラス5.何兆円ですから、確かに50兆円になんなんとする額ですからね。もう予算の全体のスケールの半分、あるいは超えるかもしれませんね。それを国債で賄うという、そんなことはアメリカでもないんじゃないですか。大胆をもう通り越してることだと思います」

「やっぱり基本的に心配するのは、国債の金利がじわじわと上昇をするんではないか。安倍政権になってからでも今0.8%台になってきている、0.6幾つになのが0.8幾つにじわっと上がり始めてますから、これが1、2、3というふうに金利が上がっていくと、大変深刻な時代になります」

「だから、そこのところとの兼ね合いで借金の問題は真剣に考えていかないと、やっぱり小泉さんの時代は同じ自民党政権ですけれどもかなり締めて、プライマリーバランスを黒字に近づけようという努力を必死でされた、やり過ぎた、社会保障なんかを削り過ぎた面もありますが、そういう自民党のよさというか健全さもあったわけですから。これ短期的なことかどうか知りませんけど、財政規律ということを忘れないでいただきたい 」

御厨

「鴨下さん、今でも国民1人当たりの借金が554万円と言われていますが、この点いかがでしょうか」

鴨下

「もちろん最終的に我々は財政規律を果たすことが目標ですから、ただ今どういうふうなことをなすべきかというと、先ほどから申し上げているように、まず円高・デフレを脱却して、そして民間の活力を取り戻して、そして日本が稼いで経済の規模を大きくして、その後に借金の返済をするという意味では我々はラストチャンスと見てます」

「ただ、このままじっとしていれば借金はさほどふえないかもわかりませんけれども、返す手だてがなく、最終的には本当に借金でつぶれてしまうことだってあるわけですから、ここは一生懸命稼いで、そして設備投資もして、民間の活力ももう一度呼び起こして、なおかつ成長産業を、しっかりとこれから発展していくような環境を整えて、あらゆる方策をやって、最終的に日本が、経済が大きくなることによってだけ借金を返せるということになるわけですから、ただじっとしていれば借金がふえないということではありません」