時事放談 トップページ 毎週日曜あさ6:00〜6:45
過去の放送 出演者 時事放談「サロン」 テレビプロデューサーの日々
 
 
第四三〇回('12年12月30日 放送)
 「今年の重大ニュース」
 ゲスト: 野中広務 氏 / 半藤一利 氏

御厨

「野中さん、どうでしょう。この株価の反応に関しては」

野中

「これはやっぱり総理の日銀に対する強力な要請がある程度、融資となってあらわれて、それが反応して、日銀が今まで独立性を言われておったのを、やっぱり政治が介入して国全体の経済を考えよう、そういう気持ちになった証拠が株価にあらわれておる、円高にあらわれておる、そういうように思うんですけれども、今までちょっと2〜3日やったらまた下がる、1週間ももたない、こういう状態で来た。これが今度の総理の経済の優先でどのように持続期間が続くのか、それが我が国経済の問題になり、あるいは株価だけが日本の経済の物差しになるんじゃなしに、国民が確かに経済がよくなったという実感が生活を通じてわかるようになるのが、私は本当の経済政策だと思うんです。

そういう点では、アメリカのドルの動きが非常に鈍い。これは、まだアメリカまでこの気持ちが届いていないし、いつ経済政策が破綻するか分からないし、全体にみんなが少しよくなったという、そういう感じを持つような持続性がなければ、外資が買いあさって、そして株価の差額だけとっていく、そういう危ない操作では、まだ、我々は明るい見通しを得ることができないんですよ」

御厨

「なるほど、わかりました。半藤さんはいかがですか」

半藤

「僕はおもしろい経験があったんです。議員会館である場所へ行って講演するはずだったのを、間違って案内されまして、間違った部屋へ入ったら、ちょうど安倍総理が、まだ総理じゃないんですが、日銀をぼろくそに論じているところへ入っちゃったんですよ。何の気なしに聞いていたんですが、安倍さんの日銀に対する恨み骨髄みたいな論理をあのとき聞かされまして、今度この話を聞いて、また安倍さんの持論を出しているんだなということが非常によくわかりまして、野中先生がおっしゃるように、ちょっとこれ持続性がないんじゃないかというような気がするんですがね」