「こうやってずっとお話をしてくると、共通している問題が、増田さんもおっしゃいましたけど、今の現実を直視するということができない、鏡の中にかつての自分しか見えてない。それは経済大国もかつてのイメージだし、政策とか政治の役割もかつてのイメージだし、だからかつてうまくいったことをやれば、うまくいったことをより規模が大きく、スケール大きくやれば何とかなるんじゃないかということですよね。
この社会保障の問題だって、高度成長時代の肩車どころかもう寄ってたかって1人の人を支えているときの設計を、必ずやこんなもの行き詰まることがわかっているのに、その現実を直視するということなくここまで来たからこの肩車になってしまった。肩車の姿を見たくないわけですよね。だからやっぱり直視されていない現実に対して的確な回答を出すなんていうことはできないわけですから、その鏡の中の自分が見えない、自分が見たくない症候群が諸悪の根源として根底にある感じがしますね」 |