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第四二六回('12年12月2日 放送)
 「2012年総選挙。これだけは言っておきたい」
 ゲスト: 森喜朗 氏 / 渡部恒三 氏

御厨

「森さん、今回の選挙戦全体を見ていてご心配なことってあります?」

「政党が非常に軽くなっちゃったんですね。こんなことで簡単に、昔でいえば派閥をつくる、もっとそれ以上というか以下というのかな、簡単に政党ができちゃう。これだけ出て、それで一つを選ぶという、小選挙区制というのはいかに矛盾しているかということがわかるでしょ。2大政党が政権交代可能になるようにしようというのが小選挙区制の一つの狙いだったけど、逆になったじゃないですか」

御厨

「そうでした」

「多党化。これを見てもまだね、僕は残念なのはこれだけができなかったことで、なぜこれを中選挙区にしようということをみんなで言わないのかと思って」

御厨

「なるほど」

「12も党があるんならね。僕らは最後まだ党で残してますけどね。3人区、4人区、5人区にして、それで小選挙区制は中選挙区にしようというところは、言ったうちに解散になっちゃった。それはできなかったのはとても残念です」

御厨

「なるほど。思い残されたことなんですね。全体を見て、恒三さんがご心配なことは何でしょう」

渡部

「いま森さんが話したのも一つと、もう一つあるんですがね。まあそう言っちゃ悪いけど、俺、自民党に残ってたら君より前に総理になったかもしれないんだ」

「いえいえ、申しわけない」

渡部

「しかしやっぱり自民党1党独裁では民主主義にならない。自民党がしくじった場合、いつでも自民党にかわって政権をとれるもう一つの2大政党がなければ国民の選ぶ権利がなくなるという思いで、私は2大政党に命をかけて、民主党をやっと政権をとれる政党のところまで持ってきたわけですがね。

ところが、毎日、テレビを見ると、名前は覚えられないけども、今度党をつくった、こうつくったということ。これは、自民党も民主党も国民から魅力がなくなっているためにこういう動きがあるという反省はしなくちゃならないけどね。しかし、そのために国会議員というのは軽くなっちゃった。

僕は、ほんとに残念なのは、今度僕の後継者は出せないんですよ。僕は若い者に、あった。ところが、そいつらに出ろと言ったら、みんな僕に手をついて、立候補するのだけは勘弁してくださいって。僕は長い政治生活で今まで、私を出してくださいといって手をついて頼まれたことはあるの。私を候補者にしないでくださいって、若い者に手をついて頼まれたのは初めてで、国会議員というものが国民から魅力がなくなっちゃった。これは明日の日本のために心配だ」

御厨

「わかりました」