「テレビ・新聞を見てますと、いわゆる消費税の増税問題と、原発問題と、TPPばっかり取り上げられていますが、政治家がそれだけを語っているとは思わないんですが。しかし最も大事なこの国のありようというか、今すさまじく困難な局面に日本の国は立ってますよね。その局面を得てこれから日本はどういうふうにかじ取りをしていったらいいのか、国家のあり方の基本に関する発言がほとんど見られない。
私個人の話ですが、これまで日本人の頭の中を支配してきた二つの考え方に、非常に疑問を感じているんですが、その一つはやっぱり経済の成長主義です。どんどん無限に何か成長が続けられるかのごとき考え方に疑問を感じますし、もう一つは明治以来の日本の大国主義。主義というのはないんだけども、戦前までは軍事大国で走ってきて失敗した。戦後は数十年、今度は経済大国で成功しましたけど、何か大国でなければならないという。絶えず経済は成長を続けなきゃならない。それは続けられたらいいですけどね。
先生ご存じのように、もう40年前にローマクラブというのが「成長の限界」というメッセージを出しましたね」 |