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過去の放送 出演者 時事放談「サロン」 テレビプロデューサーの日々
 
 
第四一〇回('12年8月5日 放送)
 「暑い夏。消費税の仕上げは…」
 ゲスト: 藤井裕久 氏 / 片山善博 氏

御厨

「片山さん、参加者がとにかく減らないと。逆にふえ続けているというこの現象、まずどう思われます?」

片山

「これやはり、今の間接民主制ですけども、この民主主義のプロセスといいますか、メカニズムはやはりどこかで変調を来しているんだと思いますね。従来ですと、こういう問題に対する反発とか反対というのは、大きな野党がそのことを代弁したわけですよね。それは昔でいうと社会党であったし、それから与党になる前の民主党であったわけですけども、その民主党政権が、失礼ですけどそそくさと再稼働を決めてしまった。国会の中では本当にごく少数の野党しか懸念などを述べないという、そういうことに対する不安とか焦りとか、そんなことがずっと広がってるんだろうと思います。

ですからアラブとか中国とかと比べることは早計かもしれませんけれども、しかし間接民主制がやはりどこかで変調を来してるということは、よく政権与党の皆さんは認識しておかなきゃいけないと思いますね」

御厨

「なるほど。藤井さんはどうでしょう」

藤井

「私は昭和35年の日米安保のときに官邸にいたんです。最末席みたいな。そしてそのときは官邸を囲む人がとげとげしかったです。今は非常にそういうとげとげしさがないんですね。この間、日米安保もやってたという人が、警察官も随分優しくなったよということを言ってましたけど、優しくなったはともかくとして、とげとげしさがなくなった。しかしそれだけに根が深いんだと私は思っているんです。ですから、総理がそういう方と会われるということを意図しておられると思いますが、大変大事なことだと私は思っております」

御厨

「片山さん、今、おっしゃったことの延長線上でいうと、特定の政党のてこ入れなんか全くないわけですよね」

片山

「そうです」

御厨

「自然発生的になっていて、これが今後どうなるかというのはコントロール不能ですよね。その動きってどういうふうにごらんになります?」

片山

「普通は既成政党とか労組とかの団体がこういうものを仕切っていたんですけど、今回それがほとんど見られないですよね。これが次の選挙のときに、どういう投票行動に向かうのかというのは非常に興味と関心があるんですね。今まであまりないことなんです。単なる無党派とまた違うんですよね。特定の政治課題について、明確な意志を持った、それでいて既成政党にグループ化されてない人たちが選挙のときにどういう行動に出るのかというのは、それぞれの政党はやはりよく考えておかなきゃいけないでしょうね」

御厨

「藤井さん、どうでしょう」

藤井

「まず、今の特定のリーダーがいないというのは、ものすごく大事なことだと思っているんです。もっと言いますと、リーダーが出てきちゃうとこの話はおかしな姿になると思います。リーダーが出てくれば必ずどっちかへ引っ張ろうとします。そうではない、自然発生的なこの動きということが非常に大事なことであって、私はそういうことを謙虚に受けとめなければならないというふうに思っておりますと」