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第四〇八回('12年7月22日 放送)
 「止まらない『反原発』の中で」
 ゲスト: 増田寛也 氏 / 浜矩子 氏

御厨

「増田さん、これは事前にきちんと調査というのはしてないんですかね」

増田

「事故前と事故後で、これだけの事故が起きたから、事故前にあったことは全部一度疑ってかからないといけないと思いますね。特に今回、真下を通ってる志賀原発というのは、たしか1988年に設置許可が出てるはずなんですが、この間のコメントを見てたら、こんなものが通ってたとは信じられないというようなことをあの調査委員会の人が言ってましたよね。

ですから一つは何で1年4カ月もたったこの時期に、もう一回調査をやり返そうということになったのか。去年の4月か5月に当然そのことを指示して全部やり返して、その上で例えば大飯の今回の再起動につなげるんだったらわかるんですが、そういうことは全然なしに今になってからやり返す。その間に大飯が再起動しちゃったという、そこが私はほんとによくわからないですね」

御厨

「なるほど。どうなんですか浜さん、こういうことの繰り返しで、さっきおっしゃったように安心感というのは得られませんよね」

「もう安心感とはほど遠い状況になってきます。安心感じゃなくて不信感が募る一方と。だから結局のところ、この関連で関係者が言うことは、何一つ信じられないという心理状態に我々は陥っていきますよね。これは本当に最悪のことであって、やっぱり誠意を持って説得するというような姿勢、本当に大丈夫かということを自問自答する姿勢、そういうものが多少でもかいま見えればいいですけれども、全然そういうものがないという、それが本当に焦燥感、フラストレーション、怒りにつながっていくということだと思うんですよね」

御厨

「増田さん、やっぱり日本は地震の国だと言われてきて、そう考えると至るところに活断層って実はあるんじゃないかと思いますよね。だからどうなんでしょう、これ」

増田

「私も電力が当面非常に逼迫をする。ですから、再生可能エネルギーで全部それを賄うことはできませんし、化石燃料だって限界あるわけですから、原子力発電というものがほんとに安全性が確かであれば、やっぱりそれを回すということも一つ方策としてあるんだと思うんですが。一方で、今お話しになったように地震国で、確かに至るところ活断層が走ってるわけでしょう。ですから全国に今50ある原発のうち、どこが本当にどうなってるかというのを早速すぐに調査をして、それを明らかにすると。それでいろんなふるい分けをして、危ないもの、危なくないもの。まずそれだけはすぐにやってほしいと、だれしも思うと思うんですね」

御厨

「そうですね。わかりました」