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第四〇五回('12年7月1日 放送)
 「さあ、どうする」
 〜消費増税法案採決で大混乱
 ゲスト: 前原誠司 氏 / 石破茂 氏

御厨

「前原さん、仮に小沢グループが離党する際に、政党交付金を分ける分党というのは可能なんですか」

前原

「あり得ないと思いますね。それは、野田総理も全く考えには持っておられないと思います」

御厨

「そして、小沢さんはこれまで原発の再稼働、これも反対し、TPPにも反対し、考えてみればここ1年ぐらいはことごとくその方針に反対をしてきたということなんですけども、その小沢さんというのは、今まで一生懸命つき合ってきたという感じですか」

前原

「小選挙区比例代表並立制になって、とにかく自民党の長く続いた政治を政権交代で変えるんだということでいろんな政党が民主党に結集をしてきて、そして政権交代ができたという意味においては、自由党を率いておられた小沢さんが決断をされて民主党に合流されたということは、私は評価をしております。

しかし、ただ単に数合わせではいけないので、政策というものをバージョンアップしていくときに、その考え方というものがなかなか相入れないのであれば、私の感覚では党内徹底議論して、最後はやはり執行部に一任をするということが、もちろんプロセスを経て一任というのが当たり前の姿だと思いますし、そういう努力も我々はしてきたわけですね。

仮に、そういうものに対して相入れなくて造反をされるということであれば、それはしかるべき処分をするというのは党としては当たり前だと、私は思いますね」

御厨

「石破さん、小沢さんって、これまで壊しては新党というのを20年間繰り返してきたわけだけど、それをずっと眺めてこられた石破さんからして、小沢政治の20年というのをどういうふうにお感じですか」

石破

「何にも残らなかったですね。それは、そういうことだと思います。私、1回、小沢さんと一緒に新進党という党にいたことがあります」

御厨

「そうでしたね」

石破

「これが本当の保守だと。その当時、小沢さんは税制改正も集団的自衛権合憲も言っていたんで、これこそ自民党が失った本当の保守だと、私は思いました。ですけど、それがだんだん大きくなっていくうちに、結局、小沢さんなのか、そうじゃないのかというのを朝から晩までやっていて、自分はこのために政治家になったのかというんで、毎日毎日悩んだのをよく覚えていますよ。やはり政策が違うのであるならば、それは別れる。そして、政策が同じ者同士が一つのグループで、どっちがいいのかというのが、それが国民のための政治なんでしょう。それが選択なんでしょう。

小沢さんに欠けていたのは、政策によって党をつくる(ということです)。それによって国民が選択する。それと真逆のことが起こっているわけですよ。政策の議論はどこにもない。結局、権力闘争だ。それは我々が19年前に夢に見た、政策が一致する者で党をつくる、それを国民の前に提示する、国民がそれを選択する、それとは大きくかけ離れたものになってしまったという意味で、何も残らなかった」