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第三九七回('12年5月6日 放送)
 「どうするのだ(野田)!」
 ゲスト: 石破茂 氏 / 片山善博 氏

御厨

「石破さんね、この原発再稼働問題、何がまずいんでしょう」

石破

「うーん、手続がまずい。まず、どうして稼働させるかという基準は法律になっていないわけですよ」

御厨

「うん、そうですね」

石破

「何となく基準めいたものができたのが4月の頭の話であって、つくれと言われて3日後だか2日後だかにばたばたとできちゃったと。手続として全然よろしくないということがありますよね。

あと、全体の統治の仕組みとして、これほんとに統治ができてるのというと、Aはこう言い、Bはこう言い、Cはこう言い。Aもある日はこう言い、次の日はこう言う。まあ枝野さんのことかな。だから、だれが何を言うのか、その人はその日に何を言うのかというのが全くめちゃめちゃで、これは統治の仕組みとしてなってないと。

そして、最初はね、安全性が確認されればみたいな話で、これも結構いいかげんな話なんだが、今度は、「じゃ需給はどうなんだ、需給は」と言われて、だれもきちんと説明できてない。「何だか20%足りないらしい」「らしいとは何だ。一体その根拠は何なんだ」てなことで、説明のやり方がなってない。統治の仕組みがなってない。手続がなってない。

あげくの果てに「ゼロになってもいいのか」と言われると、ちょっと待ってよと。それは人ごとみたいに言わないでねというのが谷垣総裁のご発言ですがね。だから、ちょっとこれはまずいですよね」

御厨

「なるほど。これ、片山さん、どうですか。稼働させると政府が決めて、結局やっぱりいま出たようにゼロですよね。これどうでしょう」

片山

「これやっぱりね、ちゃんとした詰めをね、事実に基づいた、データに基づいた、また科学的な推論に基づいた詰めをしないまま、結論を先に決めちゃったんですね。恐らく政治家たちが結論を決めるまでには、経産省なりのお役人から、こうなってます、ああなってます、だからこれしかないんですというような説明を聞いて、ああそうかと、それならしようがないなと、こんな感じだろうと推測してるんですけどね。そういうお役所から上がってきた説明がほんとに正しいのかどうか。これは自分じゃわかりませんからね、政治家では」

御厨

「それはそうですね」

片山

「だから科学的な知見を持ってる人とか、専門家とか、そういう人から検証をしてもらって、その上で最終的な結論を出さなきゃいけない。ところがお役人の言うことをすっとうのみにして、ほいと結論を出した。そうすると安全はどうなんだといって、にわかにばたばたっと〔基準?〕をつくり、需給はどうなんだと言ったら、これから検証しますと」

御厨

「しますって話ですよね」

片山

「全部順序が逆ですよね。後手後手で、手順を間違えてますよね」