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第三七六回('11年11月27日 放送)
 「“どじょう”が“龍”に化けるのか。終わるのか」
 ゲスト: 石破茂 氏 / 片山善博 氏

― 野田総理の税率引き上げ発言連発に…

御厨

「どんどん踏み込んでいっているという感じがいたします。片山さん、これは何を言っているのか、ちょっとわかりやすくご説明いただけますか」

片山

「これは消費税率、本当は2015年までに10%まで引き上げたいというのが本来の財務省の考え方だったんですけれども、民主党の中でなかなかそれが合意が得られませんで、ぼかして2000年代、2010年代半ばまでにということなんですね。もうその段階で、民主党の中で必ずしもきちんとした方向が出ていないわけです。

ですから今、やらなきゃいけないのは、本当にまず与党の中で、この消費税の問題をどう取り扱うのかということをきちんと議論して、決めなければいけない。特に民主党の場合はマニフェストで、上げないということを言って2年前に総選挙をやりましたのでね。私は、そのマニフェストは変えてもいいと思うんですけど、変えるなら変えるで国民に対してきちんと説明しなければいけないです。何かいつの間にか変わっていたというのでは困るわけで。

ですから、対外的にフランスで話をされたり、ハワイで話をされたりするよりは、まず与党の中でちゃんと合意形成をすることをやらなきゃいけない。それをやらないで、すぐ結論ばかり先に先に急ごうとするので、いつまでたっても一番大事なことが決まらないというのが、今の政権の正念場にみずから突っ込んでいく原因だと思います」

御厨

「突っ込んで、立っちゃっているというね。石破さん、どうでしょう。こういうふうな、これで大丈夫なんですか」

石破

「そもそも、09年に改正所得税法というのができて、そこの附則に『2011年度までに消費税を含む税制抜本改革について必要な措置を行う』と法律に書いてあるので、これをやらなきゃどうしようもないわけです。やらないと政府が法律違反という話になるわけですからね。

さてさて、その野田さんが言っているのは、私は衆議院議員の任期中に消費税は上げないとは言ったが、消費税を上げる法案をつくらないとは言わなかったぞと。何ですか、これ、という話でね。さっきの『関係各国と協議に入る』と似たような話で、一休さんとんち問答みたいな話で、上げるとは言わなかった。上げる法案をつくらないとは言わなかったという話で、みんな『えーっ』と思っているわけです。ここ、どうするんですかという話で、ここで言葉を弄ばないでくださいなと。

マニフェストであなた方は上げないと言ったでしょうと。少なくともマニフェストに上げると書いていない。インデックスには5%維持ときちんと書いてある。これは一体何なんだということがあって、なぜ上げなきゃいけないかということについて、財政が危機ですからということ意外、全く語らない。財政が危機なことはだれが見たってわかります。じゃあ、そのために消費税を含む抜本改正の具体的な姿とは何なんだと。その中で消費税が、所得税や法人税と違って果たさなきゃいけない役割は何なんだと。今度、2011年度末までに出す法案に何を書くのか。引き上げ幅は書くけど、実施時期は書きません。ということで本当にいいのということで、TPPとよく似ているでしょう。精神論は語る、総論は語る。でもそんなこと聞いてないもんねというのは、よく似ていますね」