「私は、日本というのはもう今や世界でも最も進んだ自由貿易国で、自由貿易の先端を行っている国だと思っていますから。実際に、貿易品目は1万件ぐらいある中で、もう90%は関税ゼロなんだ、あと900幾つが残っているんだと。1%のものから、米みたいに778%までいろいろ大小あるんですが。その残っているものをどうするかというのが、関税問題」
「今回はそれを、アメリカの言い分は、聖域なしでゼロにしようと。それどころか非関税障壁もゼロにしようという、こういう大変大胆な、関税がもう全くないような世界にしようじゃないかという提案なんですね。すばらしい提案でもあるんですが、そんなこと一挙にいくかよ、やっぱり例外もあるじゃないかというのが世界の常識でもあってね」
「私は今度の日本の国内の対立も、慎重派と推進派という言い方はようわかりませんが、慎重派も皆、開国派なんですよ。自由貿易派なんですよ。もう今まで全部賛成してきたので。これ以上どうするか。ぼちぼちやるか、一挙にあと残った10%をやって、一挙にもう引っぱがすかという、この選択ですからね。『こっちは昔の鎖国と攘夷』みたいにレッテルを張るのは間違っている。もう自由化が進んだ国で、最後の残った9%、1割の残っている関税をどうするかという議論をしているわけで、アメリカは全部はがせと言うから、いや、それはちょっと荒っぽいじゃないかというのが慎重派であって、まあ、どっこいどっこいの議論だと思います
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