「細川内閣のときも思い起こすと、私が大変ほろ苦かったのは、さきがけとしては私個人も反対なんです。米の自由化、当時反対論を主張していました。細川さんの日本新党は賛成でした。でも総理がその方向で行くし、客観的にももうのまざるを得ないという判断で我々は渋々折れたという感じがあって」
「そういう意味じゃほろ苦いんですが、今度も自由貿易が日本の大原則だから、どんどんこれは進めるのが正しいんだよとか、大事な同盟を組んでいるアメリカを怒らせちゃ損だよとか、そういう単純なそろばん勘定で、それはわかりやすい論理ですけど、賛成していいのかという思いはありますね。私は、そういう意味ではちょっと慎重論の方のほうが、日本の国の成り立ちとか、30年、50年の日本の国の行方をむしろ考えて反対している人も点々といて、そんな単純じゃないと思うんですね」
「それで、過去日本がやってきた貿易の自由化って、例えば日本の国土の70%を占める森は今は荒廃して、全然日本の木は経済的には価値を失っています。これは木材というものを自由化しちゃったから、外材のほうがはるかに安いから、日本の木材には全然見向きもしないと
「それから、大規模店舗法というのができて、あれは私ども自民党にいるときにできたんで、責任があるんですが、あれでもうスーパーがどんどんできて、いわゆる町の商店街がシャッターがおりてしまったとか、派遣労働とか、自由化でほろ苦いというか、失敗というふうな、ちょっと考えなきゃいけないようなケースもあちこちにあって、自由化が万々歳とは私は思えません。だからやや慎重に、選択して自由化に取り組んだほうがいいというのが私の意見です
」 |