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過去の放送 出演者 時事放談「サロン」 テレビプロデューサーの日々
 
 
第三七二回('11年10月30日 放送)
 「決める、決めると言いながら」
 ゲスト: 藤井裕久 氏 / 片山善博 氏

― 消費増税10%について・・・

御厨

「まあ、あと2カ月しかないというわけですが、税金を払う立場から、藤井さんに聞いておかなくちゃいけないのは、これ、いつから、どれだけ上げるのかという、そういうことが一つあるわけですね。詰めて考えると、再来年の2013年、これが衆議院の任期ですよね。そして、さらに言えばその後で、次の参議院選挙というのは2016年ですから、まあ、その間ということになるんでしょうか。それでいいんでしょうか」

藤井

「これはですね、私ども民主党の公約として、選挙の前には上げないということを言っておりますから、今、御厨先生のおっしゃったとおりでいいと思いますが、ただ、同時に、自公時代ですが、もちろん法律になっているものがあるわけです。それは、平成23年度中に法律はつくるということが決められているわけです。これは、一時はその法律を直せという人もいましたが、現実にはやっぱりその法律は守るべきだと思います」

御厨

「うん。なるほど」

藤井

「そうなってくると、法律はつくると。しかし、実行はその後だと。これが実際の姿だと思うし、与謝野さんの調査会も、それで、大体そういう方向で結論を出しているはずです。そこで、じゃ、どういうふうに上げるのかとか、そういう問題なんだと思うんですがね」

御厨

「そうそう。上げ幅の問題とかね。1回で10ポイント行っちゃうのかとか」

藤井

「これは、これから議論する話なので、私があんまり言うと、会長が勝手にテレビでいろんなこと言ってるなと言われますので、あまり申し上げにくいんですよ。ただ、どちらのほうがモデレート(moderate)に行くかという問題。モデレートに行くということは、経済状況に対してモデレートになると意味しますから、そのことは考えなきゃいけないと思いますね」

御厨

「うん、なるほどね」

藤井

「それから、あえて言わせていただきますが、私はこれは40年来の、40年間の負の財産だということをずっと言っているんです。あのころ、要するに、社会保障は随分充実したんですね。ところが、社会保障というのは制度なんですね。それを埋めるにはどうするかというのに、いや、高度成長がまたできるんだという話があったわけです」

「ところが、昭和46年に1ドル360(円)がさようならになった。48年にバレル2ドルがさようならになった。そうすると、もう高度成長の条件は完全に崩れているんですね。そこで大平さんや中曽根さんが消費税を言い出した。ところが、これが一般財政の穴埋めだから、どうしても、国というのは相当ルーズなことをやりながら、その負担を消費税に持ってくるのは何だと、こうなったわけですね。その歴史を私は若い議員にはよく話しているんです」

「ですから、民主党が野党時代に完全目的税といって、一般財政の穴埋めじゃないんだと。三つのこと、今は四つのことですね、子育ての問題から、お年寄りの介護だとか高齢者医療、それしか使えないんだというので今、整理しておるんです。どうかご理解をいただきたいと思っています 」

御厨

「はい、わかりました。片山さん、また時間があまりなくなっているんですけど、国民の理解を得るためには、一体これ、どういうふうにしたらいいんでしょうか」

片山

「これは今、藤井さんが言われたように、社会保障に特化した税だという建前になるんですけどね、払うほうからしますと、やっぱり政府の財政全体のことを考えますよね。そうしますと、これ、藤井会長も民主党の中で言われていたんですけども、やっぱり無駄を削らなきゃいけないと」

御厨

「無駄をね」

片山

「ええ。そうすると、国会議員の定数はどうなんだということを真剣に考えなきゃいけないとおっしゃっていましたけど、そのとおりなんですね。やはり国民から見ますと、国会議員の定数を削減すると言ってるじゃないか、公務員の人件費はどうなるんだろうかとかですね。私はそういう意味でいいますと、やっぱり為政者の側の本気度といいますかね、本当にしりに火がついているという気概というか、危機感が、まだまだ国民には見えないと思いますね」

「例えば、今年も相変わらず国会議員の皆さんは、国会の閉会中は、海外にどんどん行かれているわけです。視察なんかにね。あれなんかはやっぱり、本当に要るんだろうかとかですね。それから天下りなんかの問題も、やるやると言っているけど、あんまりけじめは、なかなかついていませんね」

御厨

「ついてないみたいですね」

片山

「これは、急にはつけられない問題なんですけど、やっぱりその方向になっていますかとか、そういうことを厳しく見ていますからね」