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第三六〇回('11年7月31日 放送)
 「動く世界!8月のヤマ。『日本をこう動かせ』をどうする」

 ゲスト: 野中広務 氏 / 藤井裕久 氏

御厨

「野中さん、ここに来ての菅さん、元気なんですけども。菅さんどういうお気持ちだろうと思われますか」

野中

「私は歴代総理を見てきましたけど、菅さんほど一所懸命働いてる総理はちょっと記憶にないですね」

御厨

「なるほど」

野中

「とにかく海外の会合に行って帰ってきて国会答弁やり、災害現地に飛び、あるいは沖縄に飛び、もう毎日テレビに映る行動と発言をやっております。

これはやっぱり菅さん自身は大衆政治家として大衆政治家の運動を自分でやってきたから、だから自分が動いて行動して、それがメディアを通じてそして国民に映れば、菅は信頼され、そしてこんなに気張ってるんだと。国民の中にも何であんだけ気張ってるのにおろそうおろそうとするんだという意見が必ずあるんですよ。あるほどね、やっぱりあの人は内閣の組織、党の組織を組織人として束ねて、そしてその先頭に立って行動するという、そういうところに欠点があるんじゃないかなと。

だからこの大臣が発表することをお互いに決めておきながら自分が先に発表してみたり、不協和音ばっかりが出てくるわけで、非常に私は総理としては菅さんは気張ってやってるなと思って。むしろ感心してるほうなんです」

御厨

「そうですか。感心されてる。藤井さんはいかがですか」

藤井

「今、野中さんの言われたとおりなんですね、筋はね。私の言葉で言いますと、私はいろんな人とつき合いで一番多いのがノンポリなんですよ。そうするとこの方々は、何であの人やめなきゃいけないのというのが一番多いです。これは間違いありません。

つまり、だから私からやめるんだよと言ってるんですよ。それは一つは、この人の政策選択の問題よりも、まずこの50年間、ここで申しましたけど、その甘い想定というものの責任は今の人が負わなきゃいけないということなんだよと、まずは一つは言っております。それでそれが被災地に対するけじめなんだよということは言っております。もう一つは、自分でおやめになると言った以上、これはやめなきゃいけませんよと、この二つなんですね」

御厨

「なるほどね」

藤井

「今の野中さんと全く同じなのは、この方はやっぱり今までの経験からして、どちらかというと自分でやられますね。それから自分の言葉が先行して、それが時に荒っぽい言葉になるわけです」

御厨

「なるほど、確かにそれはありますね」

藤井

「それからもう一つは、攻めはお上手なんですが、与党というのはガードをしなきゃならないんです。このガードが大体民主党は下手ですね。大体若い人は少しずつ少しずつ出てきましたけど、やっぱり与党の経験というのはガードなんですね」

御厨

「それがやっぱりうまくいってない」

藤井

「つまり言葉も大事なんですね、ガードの一つに言葉も大事。私は最後は歴史が評価すると思います」

御厨

「なるほど」

藤井

「必ずこれは悪いことばかりじゃないし、これはマスコミが言ってるんですよ。戦後32人総理大臣いるけど、今の人が一番ビリと言うだろと。前もみんなそう言ってきたんだと。本当のところどのぐらいにいると思う。まずぱぱぱっと見て、12〜13人は菅さんより下ですよ、まず」

御厨

「なるほどね、うん」