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第三五八回('11年7月17日 放送)
 「すべての道は『原子力』に通じる」
 〜「原発ゼロ」社会は可能か〜

 ゲスト: 野田毅 氏 / 増田寛也 氏

御厨

「退陣表明した総理がここまで元気に新しいテーマを掲げるというのは、これまでなかった全く新しいタイプだと私は思うんですけれども。どういうふうにごらんになってますか、野田さんは」

野田

「運動論としてみれば主要敵を探すと。市民運動なんかもよくありますよね。主要敵はどこかと。外交の中でも国内情勢がうまくないと海外に敵を求めると、そして結束を求める。どうも今回は、最初は自民党が主要敵で選挙に勝つことだと。その後はおっしゃるとおり小沢さんなんだけど、今度は党内が割れてると。党の中で再稼働問題について割れてますね。それからストレステストについても割れてます。そういったことを含めると、やっぱり何かせっかく総理になったんだから最後これだけはやったという何かそういう勲章じゃないけど、何か一つ名の残るようなことを打ち出したいというので、いろいろ迷った結果、消費税でもないしTPPでもないし、これだということに行き当たって。だからこのことに話が及んだときの菅さんの表情が、実に今までとは違った表情をしてるなという気がしましたね」

御厨

「なるほど。増田さんは、ずっとごらんになっててどうです?」

増田

「怒る気にもならないというか、与党の党内でもほとんど総理の言ってることはみんな重きを置いて考えてないというか。確かに「脱原発」に日本国全体がかじを切るということになると大ごとなんですが、もう総理が言ったからといって、そっちのほうにかじ切れるとだれも思っているわけではなくて、これからいろんなことを検証していかないかんというか、政策を検討していかないかんということですよね。ですから、多分歴史的に見て、今後本当に「脱原発」にかじ切れたとしても、その先鞭を菅さんがつけたというふうには絶対ならないんじゃないですかね」

御厨

「ああ、なるほどね」

増田

「間もなく政権がかわるはずです、かわってほしいんですが。そうすれば菅さんが何言ったかというのはすぐ忘れ去られてしまうぐらいに……。というのは官房長官も、それから仙谷さんも何も「あれはただ単に総理の希望を言ったぐらいだ」というコメントをしてるんで、そういうことじゃないでしょうかね」

御厨

「なるほど」

増田

「実に軽く見られてるというか」

御厨

「軽く見られている」

増田

「ええ。残念ですけれどね」