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第三四七回('11年5月1日 放送)
 「まけるな日本」
 〜国難を乗り越えるためは〜
 ゲスト: 野中広務 氏 / 半藤一利 氏

御厨

「で野中さんにもう一つ伺いたいのは、菅おろしというのをやって、本当に菅さんをおろせますか」

野中

「いや、おろせないと思いますよ。こんなときに菅さんをおろすというようなことをやったら、これは本当に政党史の中の恥ですし、時局の重大さがわかっておらないし、この国を本当に一から立ち上げるんだという最大のチャンスでもあるわけですよ。

何も原子力発電だって自民党が推進してきたんですから。今その責任をどっちへ押しつけるんでも何でもなく、やっぱり電力会社が主体になって、これは安全を期すように傷口が少なくなるようにやるのが責任ですよ。それを、こっち側からかもうてみたりなんかばっかりやってたら、私は菅おろしだけじゃないと思う。そんな悠長なことで夜な夜な政治家が寄っているというのは、政治家の資格がない 」

半藤

「この動きは、本当に菅おろしだけじゃないですよね」

御厨

「なるほど」

半藤

「だから何を考えているんでしょう、これ本当ね」

御厨

「これ、野中さん、どうしてこうなっちゃったんでしょうね」

野中

「やっぱり政権に入った人も菅さんのようにおるし、初めて当選して何にもわからん人が、政治家が何でも決められて官僚が悪いんだというようなところからスタートしていって官僚を排除した。

こんなときに官僚の知恵と彼らが積み上げてきた、その国家に対する方向を必ず利用しなきゃだめです。決断は政治家が決める。それをようやくこのごろ、事務次官会議が復活してきたときでしょう。それにまだこんなことをやってるというのは悲しいことだなと思って 」

半藤

「結局、政治家に国家観はないんですよ」

御厨

「ああ、そうかもしれません」

半藤

「どういう日本をつくろうかとしてるか、国家観がないんですからね。だから政局しかないんですよね」