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第三四四回('11年4月3日 放送)
 「震災24日目の朝に」
  〜がんばろう日本 「危機管理の最高賢者」2人に聞く
 ゲスト: 野中広務 氏 / 石原信雄 氏

御厨

「早速、石原さんにお伺いしたいんですけど、この「復興構想会議」というのが仮にできるとして、大事なことは何でしょう」

石原

「今回は、例えば三陸地域の市町村はもうほとんど流されちゃっているんですね。ですからああいうところをそのまま昔のままで復興しても、津波が来ればまた同じことになっちゃいます。だから基本的にどういう方針で復興に取りかかるか、現地の状況を踏まえた大方針を早く決めないと。

今は避難の方々の救済というか、物資をお届けするとか交通網を確立するとかでありますけど、やがてもう、すぐ、地域をこれからどう復興させていくか、その大きな方針を早く決めないと、これから具体の復興計画がつくれないんですよね。そういう意味で、いま政府がそういうお考えであれば、私はもう早くおやりになったほうがいいと思います。

阪神・淡路大震災のときも割と早い段階で復興委員会というのを立ち上げました。下河辺淳さん(元国土事務次官)が委員長になって、後藤田(正晴)先生や平岩(外四)さんを特別顧問、現地の貝原知事とか笹山市長、関経連の会長さんとか学識経験者とか、そういう方々に入ってもらって、すぐ議論を始めましたね。あの阪神地域をこれからどういう大方針で復興するかというのを始めたんですが、今回は面積も広いし内容も深刻ですから、早くその議論を始めにゃいかんと思いますね」

御厨

「野中さん、この会議のポイントは何だとお考えでしょう」

野中

「私はあんまり学者ばっかりで自分の持論で長々とやっとらないで、現地の人と都道府県の震災の経験者と、こういう人をよって、そして今言われたように、あの当時はたしか下河辺さんが中心になって復興をやってくださったと思うんですが、そういうやれる人を焦点にして、そしてさっき言われたように、再びここに家を建てるというようなことはもうできないんですから」

御厨

「はい、そうですね」

石原

「阪神・淡路大震災の復興委員会のときは、下河辺さんと貝原知事が2人で話してどんどん話を詰めていったんですね。もう現地の最高責任者が一緒に議論をしているわけですから、今回もそういう形が必要なんでしょうね」

御厨

「なるほど。そこでやっぱり決めるということですね」

野中

「それが今の知事は、いや、道州制やとか連合やとかこんなことばっかり言うて、下のことを一つも見てないですよ。もっと全国の知事が固まって、こういうところをどうしようという気持ちにならなければね」

御厨

「いけないということですね」

野中

「ええ。私は」

御厨

「なるほど。今言われた問題もありますが、復興のあり方について、野中さん、いわゆるよく言うゼネコンが活躍するというような形でいいのかどうか、それはどうでしょう」

野中

「いや、ゼネコンが活躍する場も出てくるでしょう。その力をかりなければできませんから。

しかし形態が違いますからね。だからここではもう住めないんですから。ここの場所をかえて、そしてこの人たちやふるさとに郷愁を持っておる人をどのようにするのか、外に出る人はどうするか、その人たちの職業がどうなっていくか、家族構成も含めて考えなきゃあ、私はいけないんじゃないかなと思いますがね」