時事放談 トップページ 毎週日曜あさ6:00〜6:45
過去の放送 出演者 時事放談「サロン」 テレビプロデューサーの日々
 
 
第三四二回('11年3月20日 放送)
 「東日本大震災」〜がんばれニッポン〜
 ゲスト: 武村正義 氏 / 増田寛也 氏

― 福島原発事故に…
御厨

「増田さん、この事故への政府の対応、これがどうであるか。アドバイスするなら、どの点をアドバイスされたいとお思いでしょうか」

増田

「もう今、既に各国からいろいろなアドバイス、あるいは情報をもらっているようでありますが、とにかくとめなければいけないので、持てるものをフルパワーでやっていただきたいと。原子力の問題は、原子力災害ということでそういう法律もあり、それからそこの本部で一応やっているんですが、この問題からすれば、これはもう最大の国家の危機管理そのものなので、そういう危機管理体制でやる、それしかないと思いますね。ですから国家危機管理で、安全保障会議のレベルで議論するぐらいの話だと思います。災害というよりは、まさに安全保障のレベルで、国家危機管理ということでフルパワーを導入するべきだと思います」

御厨

「増田さんがそうおっしゃっていますが、武村さんはどういうふうにお思いでしょうか」

武村

「その安全保障会議がまだ開かれていないという。そうですね。外国に対しても、善意の協力はありがたい話ですが、やっぱりこういう、日本も経験したことのない非常事態ですから、総理大臣がアメリカにもフランスにも、場合によってはロシアや中国でも、原子力の先進国ですから、技術や科学の知恵があればかしてくれということを、むしろお願いするぐらいの姿勢でいいんじゃないかと思います。世界も注目しているというだけじゃなしに、本当に深刻に見詰めてますからね」

御厨

「そうですね。その一方で海外では、日本政府や東京電力が情報をちょっと隠しているのではないかというふうな不安を持っているという話もありますけども、武村さん、その辺はどうでしょう」

武村

「私も、意図的に隠していることはまずないとは思いますが、錯綜しているというか、幾つかの情報が上がってきて、整理ができないという状態があるかもしれんなと。すると、一本に絞って発表ができない、それでもたもたしているという感じがあるかもしれないなと思っています。いずれにしても、やっぱり世界の知恵をかりるということと、それから世界中が不安に感じていますから、一刻でも早く情報は、開示できるものはどんどん開示していく姿勢が、ちょっとこれは遅い感じがしますけど、してほしかったですね」

御厨

「増田さん、どうでしょう」

増田

「官房長官、それから原子力安全・保安院、東電と、三者が出てきて、どうも発表の内容が必ずしも統一がとれてないですね。少しよくなってきたかもしれませんが、やはりそういった情報の出るところに対しても、やっぱり食い違いというのは国民の不安につながりますから。その放射線レベルがやはり非常に気になるので、ここは冷静に受けとめなければいけないですが、そういったことも含めてタイムリーに情報を出すと。

それから今、武村さんがおっしゃったように、やはりこれは国家の本当に危機ですから、安全保障レベルで、自衛隊、それから警察、消防庁、そういう部隊の力をフルパワーに使うということですが、あとはアメリカですね。それからフランス。そういうところのいろんな技術陣、GEとかいろいろもう協力要請を申し出ていますから、国内だけじゃなくて全世界の知恵を今、集めるべきだと思います」