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第三二六回('10年11月14日 放送)
 「きりもみ状態になってきた」〜支持率急降下
 ゲスト: ジェラルド・カーティス 氏 / 増田寛也 氏

御厨

「カーティスさん、どうでしょう、この支持率の急落ぶりというのは」

カーティス

「ある意味では非常にアメリカの現状と似ていることは、自民党の支持率が上がって民主党を上回っているというのは、多分自民党は、本当に前よりもよくなった、いい政党でまた政権を任せたいという気持ちがある人は少ないと思います。

それは、アメリカの共和党の支持率が下がったのと同じで、要するに現政権に対しての批判が野党の支持率が上がる結果になるんだけれども、見ているとこのままでいけば20%台に入っていって、それを切ったら政権は非常に危険ですよね。例えばもしも選挙があったら、改造しても解散して総選挙したら、自民党も民主党もどの政党も過半数をとれないで、大きな政党再編が始まるという可能性もあって、何かもう数カ月以内に大きな政治の変化が起こるような気がするんだけれども。

一番の問題は、数年、しばらく安定した政権ができない、思い切った政策もとれない。世の中が早く動いている中で、日本はこういう不安な政治で麻痺状態、非常に残念なことです。危険なことです」

御厨

「おっしゃるとおりです。その大きな理由というのは一体何であるかというのは、もちろん、一つはこの問題なんですね」

竹内

「はい、民主外交のつまずき。支持率急落の原因は何といってもこの二つ。9月に発生した漁船衝突事件から火がついた尖閣諸島問題、そしてメドべージェフ大統領が何と、北方領土国後島を訪れたロシアとの関係です」

御厨

「増田さん、民主党外交というのはうまくいってないですね」

増田

「そうですね。国会で菅さんが責められていますが、とにかく中国については、もう徹底的に政治が逃げたんで、国会答弁を見てても菅さんの目が泳いでますよね、責められて。私はそういうことの根っこは対米関係、日米関係が揺らいだということがあって、それが中国との関係に響いてきたし、それを見てロシアが堂々と大統領が北方領土に行くということになったと思うんです。

ですから、ここはやはり日米関係。沖縄県の知事選挙がありますけれども、きちんと日米関係をまず立て直して、その上で中国にどうしていくのか、ロシアはどうするのかそのあたりをじっくりやらないといけないんじゃないでしょうか」