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第三二〇回('10年10月3日 放送)
 「中国とどう付き合うのか。北朝鮮とどう付き合うのか。ロシアも来たぞ」
 ゲスト: 加藤紘一 氏 / 田中均 氏

御厨

「前原さんが、『国内法に則って粛々と』と言った事にはついては、どうでしょうか」

加藤

「日本としては、前原大臣もそうでしょうけど、法に基づき粛々とというのが慎重なやわらかな態度だというふうに思うわけですよね。ところが向こうは、日本の法律に従って処分し、それでそのとおり認めて『悪かったですね』と国に帰ると、日本の領有権を公式に認めることになるみたいな、そんなことでますます次から次へと来たというところがあると思いますね」

御厨

「なるほどね。田中さん、いかがですか」

田中

「私がこの問題をずっと見ていて思うのは、日本の政府が、こういうことをやれば中国はどういう措置をとってくるだろうか、どう反応をするだろうかということを、すべてシミュレーションして判断をされたかがすごく気になるんですね。
尖閣の問題とか歴史の問題というのは非常に敏感な問題であることは間違いないんですよ。で過去にあった事例、例えば2004年のときは中国人が上陸して、それを逮捕はするんですよ。その段階で公権力は行使している。主権は行使している。だけど2日で強制退去させるという形で、公権力の行使、主権を維持したまま、それで中国から大きな反発とか強い措置を招かないような工夫をしている。それが私は一面必要な外交なんだと思うんですね。
一番大きな問題というのは日本の外交の一貫性とか外交の根本になる基本的な理念というものが欠けているんじゃないかという点がすごく心配ですね」

御厨

「なるほど。加藤さん、日本側の対応で残るのはビデオの公開問題というのがありますよね。これは、どうお考えでしょう」

加藤

「内容はわからないんですけど、公開しなきゃならんのだと思いますよ。ここまで国民全員が、まず議員もね、一体事実はどうだったんだろうかということを思っているんですから。それで、それが意外にマイルドだったのか、それとも中国側がこれは逮捕するのが当たり前だよというぐらいの乱暴なことをやっていたか、それはわかりません。それによってちょっと両方がそろそろおさめようとしていたのが、またかっとくるという可能性もなくはないんだけど」