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第二八六回('10年1月24日 放送)
 「緊迫国会」
 〜冒頭から、浪高し〜
 ゲスト: 加藤紘一 氏 / 寺島実郎 氏

― 小沢氏をめぐる「政治とカネ」で、国会は空転!
御厨

「今回の出来事を、どういう風にご覧になっていますか?」

寺島

「ものすごく残念です。と言いますのは、政権交代の意味が色あせていくというか、本当に今、議論すべき事、本当に日本の方向づけをすべき事が議論されないままですよね」

御厨

「そうですね」

寺島

「この事によって、政治がドンドン消耗し、磨耗していく。この悲しみは、ものすごく深いです」

加藤

「日本の景気が一番悪い、もしかしたら二番底かと。だからそういう議論を国会でしたいと思いました。ですから、集中審議『政治とカネ』を1日やって空気を抜いて、そうでないと全部この話になりますから」

御厨

「はい」

加藤

「それであとは、経済論争に集中しようと言ったのですが、残念ながら、そうはならなかったですね」


― 鳩山首相の「戦ってください」「起訴されないことを望む」発言に
寺島

「これは、人柄の良さが出たなんて議論を超えて、国家の最高指導者として決定的に間違えてますよね」

御厨

「はい」

寺島

「総理大臣というのは、検察をも束ねて、司法・立法・行政のバランスの中で、日本国の中心いるわけで、こういう係争案件に、たとえ微塵なりとも、予断なり方向感を歪めるような事は、制御できなきゃ、まずい」

御厨

「さらにビックリしたのは、逮捕されている石川議員を『起訴されないことを望みたい』と記者団に語ったわけですが」

加藤

「ええ、まさかって感じですよ。総理が、個別案件について、白であって欲しいというようなことを、一切言っちゃいけない」

御厨

「はい」

加藤

「総理であるという事の責任感がないんじゃないかと。慣れていないってことで済む話じゃない」


― 今後の展開について
寺島

「この問題によって亀裂を起こし、もう党を超えて、政治に対する不信と幻滅感が日本国に漂うこと自体が、ものすごい悲劇ですよ」

御厨

「そうですね」

寺島

「政治というのは、国民を土俵にして世論に訴えて、そして支持を得ながら、時代や社会を変えていくものです。だからベースは、国民であり世論なんです」

御厨

「はい」

寺島

「そう考えれば、断腸の思いかもしれないけれども、幹事長の職を辞しても、政権交代の意味を貫くために、やはりけじめをつけなければいけないタイミングに来ているのではないかと思います」