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第二六〇回 ('09年7月12日放送)
 「今日から何が起きるのか!?」
 〜退陣か!?解散か!?〜
 ゲスト: 野中広務 氏 / 増田寛也 氏

― 地方選で、自民党・連敗!
御厨

「自民党は、名古屋、さいたま、千葉、静岡と4連敗ですね。なぜ勝てないんでしょうか?」

増田

「名古屋も23〜24%、静岡も15%ぐらい投票率が上がった。投票率が大幅アップした選挙はみんな民主党が勝っていますね。静岡なんて、自民党の牙城のようなところなのに、無党派の人が雪崩打って民主党にいってるということなんでしょう」

御厨

「今回は直前に自民党の役員人事騒動がありました。結局は、東国原大臣も、舛添幹事長も実現せずに、閣僚の補充のみだった。この役員人事騒動をどうご覧になりますか?」

野中

「『この機に及んで何を考えてるんだ』と。どうしてこんな事が出たのか、それでなくても党は統率がなくて、バラバラで従来の自民党にみられない混乱状態にあるのに、どうしてと思うぐらい驚きました」

御厨

「党役員人事はどうして出来なかったのでしょうか?小泉さんだったら、やったような気がするんですけど(笑)」

増田

「私がよく分からなかったのは、人事というのは『何かするため』で、そのために適材適所、一番強い人を集める事だと思うのですが『何をする』ってのが聞こえてこなくて『誰がどうなる?』『三役が全部退く』という話だけが出ちゃったんで」

御厨

「そうですね」

増田

「どういう意図でこの話が出てきたのか、逆に言うとそういう情報が出ているのを何でただ黙って、何の発信もしないで見ていたのかという思いがしました」

御厨

「なるほど」

増田

「ですから、本気でなかったのかな?という風にも思うんですが、本気だったとしたら、あまりにも弱すぎる気がします」

御厨

「今回は安倍さんが『目玉人事をやって、直後に解散』を進言したと言われているんですけども、いわゆる麻生側近の仕事ぶりを、どうご覧になってますか?」

野中

「誰が振付師をやってるのか、私は分かりません。しかし、今までの長い道筋を見ますと、あまりにも振付氏が下手な絵を描いているし、それに乗りすぎて軽い言葉を吐く総理は、もっと責任を持たなくてはいけないですね」


― 東国原知事への出馬要請について
野中

「東国原知事を古賀さんが訪問したのは、私は『やったな!』と評価しています。これで東国原さんという人は国政にも出て欲しいけれども『選挙が始まっても、これ以外動かないという人だ』と位置づけられたと」

御厨

「増田さん、東国原さんを巡るドタバタをどうご覧になりますか?」

増田

「やっぱり分からないのは、東国原さんが、なんで自民党なのか?『地方分権、地方分権』と言って『先に声をかけてくれたのが、自民党だから』というところから、先に一歩も乗り出してないような。地方分権でどういう事をするのか?」

御厨

「なるほど」

増田

「あと2年ちょっとやられて『県政に限界がある』とおっしゃるんですが、1期はやって欲しいと、限界を感じるには、早すぎる。その辺りは、県民の人達が、だいぶ厳しい評価をしているようですね」


― 麻生首相で解散か!?「ポスト麻生」は?
野中

「麻生さんは、福田さんから『自分で辞職をするから後を頼む』と言われて立候補されたわけですから、私はやっぱりここまできて、せっかく努力をされたけれども、全てのことに上手くいかなかったという事で〜」

御厨

「という事で?」

野中

「麻生さんは衆院選前に責任を取ってお辞めになり、その代わり麻生、福田、安倍と、3人の総理が全部選挙の洗礼を受けなかったという事では恥ずかしいので、年長者である福田さんにもう1度、総理の座について、この選挙を仕切ってほしいと頼むことだと思いますね」

御厨

「福田さんですか!?」

野中

「選挙がそこに見えてるわけですから、大きな手続きやら、争いをしないで、総裁選挙をやることが出来るし、諸外国も、福田さんなら、落ち着いて話し合いが出来ると信頼感をもっていますから」

御厨

「なるほど」

野中

「福田さんは、貧乏くじを引くと思うかもしれないけれども、福田さんで是非落ち着いた日本を作ってほしいと思いますね」

御厨

「増田さんは?」

増田

「谷垣先生の名前なども出てますが、自民党も良質な人材はやっぱりいるわけですから、国民の人気に頼る構図ではなく、正々堂々と政策をキチンと訴えられる人で、やっていくのが良いんじゃないかと」

御厨

「なるほど」

増田

「極論すれば、下野もいとわず真正面から政策を問うて、下野したら下野したで、そこから再編が始まるわけですから、落ち着いてキチンと政策を訴えられるような人。そういう人を出すべきじゃないでしょうか」