御厨 |
「カーティスさんは、今回の小沢代表の秘書逮捕について、検察には説明責任があるとおっしゃっていますね」 |
カーティス |
「今、数ヶ月以内に総選挙がある。それで、もしかしたら本当の政権交代が起こるかもしれないということが、取り沙汰されている時に、ひょっとしたら次の総理大臣にもなるかもしれない人の秘書を政治資金規正法を違反した疑いがあって逮捕した。普通のスキャンダルとは違って、ものすごい政治のインパクトが、大きいですよね」 |
御厨 |
「そうですね」 |
カーティス |
「それだけに、検察として『こういう理由があって、今の時点で、対応しなければならなかった』という説明をする責任があると思うのですが、検察の方から公の場で何も説明がない。このことに対して、何か奇妙な感じがしています」 |
御厨 |
「与謝野さんは、どういう風に思われます?」 |
与謝野 |
「検察に説明を求めても、彼らは『法と証拠に基づいて我々は行動しています』という説明しか返ってこないと思うんです。日本の検察というのは、ほとんど全く人のいう事を聞かない組織で、政治家のいう事も聞かないし、法務省のいう事も聞かないわけですよ」 |
御厨 |
「じゃあ、独立部隊のような?」 |
与謝野 |
「本当に独立しちゃってるところで、そんな『何かします』なんて法務大臣のところに報告は来ないし、むしろ総理とか、政府関係者には一切言わない」 |
カーティス |
「ただ、こういうことは、ある意味、どの国でも、ある程度あるんですよ。アメリカのFBIもできるだけ、外には喋らない。政治の影響を受けない。しかし、このような事件になったら、まずマスコミが、どうしてかと責める。それで世論が、説明を求める。そのプレッシャーの下で、検察も『こういう理由で今、逮捕したんだ』と記者会見をする」 |
御厨 |
「なるほど」 |
カーティス |
「日本の場合、マスコミも説明を求めない。検察はそういうもんだという事で、政治家も諦める。僕はおかしいと思う。諦めることはないと思う」 |
与謝野 |
「ですから、24日になれば、不起訴になるか、起訴猶予になるか、起訴になるか分かるわけで、その時に説明があると思うんですけどね」 |