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第二三五回 ('09年1月11日放送)
  「スタート国会」
  〜出だしからすったもんだ〜
  ゲスト: 野中広務 氏 / 増田寛也 氏

― また、出た!問題発言
御厨

「『派遣村』について、坂本・総務政務官が『本当にまじめに働こうとしている人たちが、集まってきているのか』と発言。大問題となっています」

増田

「12月27日から1月4日というのは役所が休みなんですよね。だから、政治家がこうした問題に敏感になってないといけない時に、政治家である政務官がこういう発言をするとは、驚きましたね」

野中

「私も同じ考えでしてね。本当に職を失って困って、食べるものも無いような人達が集まっているのに、こんな言葉が出るというのは、政治家が現場を歩いてない証拠だと、私はそんな気がして悲しくなりました」

御厨

「麻生さんは『発言は不適切だけれども、本人も発言を撤回し、謝罪してる。解任するつもりはない』とかばいましたが」

増田

「これは罷免すべきだと思いますね。政治家がこういう問題にいかに鈍感になってるか。やはり政治家としてのイマジネーションをはっきり発揮する。あるいは国民に寄り添う姿勢をきちんと見せないといけないと思います」

野中

「総理自身の言葉があっち行き、こっち行きぶれてるんですから、自分と見比べて、これを罷免したら『自分も辞めろ』という事になると思って自分をかばって言ったんじゃないかなと、私はそんな感じがしましたね」

― また、出た!漢字の間違い
御厨

「麻生総理は、年頭の記者会見で『書き初め』を披露しましたが、その書き初めの中の落款の漢字が間違っていたと。『平成廿十一年新春 麻生太郎』と書いてあるのですが、『廿』は一文字だけで『にじゅう』と読むので、これだと、『平成にじゅう・じゅう・いちねん』になってしまう…」

野中

「これはね、本人は、そのつもりで書いたんでしょうけど。表に出す時は、秘書官もいれば、官僚もおるわけですから『総理これは困ります』と、注意する人も周辺にいなくなったのかなぁと。あるいは、やっぱり総理秘書官の選定から、間違っていたのかな、という気がしてなりませんね」

増田

「私は、年頭の記者会見、非常に注目していたんですよ。昨年、色々ボロボロありましたので、新年になって総理が国民に、第一声をどういうメッセージを送るのかと。しかし、実に簡単なメッセージだけで、後は黙々と習字をしておられたと。結局こういう事になりまして、終わって何も残らなかった。むなしかったですね。残念でした」

御厨

「書き初めパフォーマンスは、どうなんでしょうか?」

増田

「私はね、やっぱり周りが止めるべきだったと思います。こういう間違いがあったからではなく。結局お話になったのは2〜3分でしたよね。私はもっと中身の濃い事を、おっしゃるべきだったと思いますね」

御厨

「パフォーマンスではなく、中身で勝負という事ですね」

― また、出た!迷走発言
御厨

「『定額給付金』をめぐって、また麻生総理の発言が揺れていますね。昨年は、高額所得者は辞退すべきとしていましたが、年が明けると『1万2000円頂かれたら、高額納税者の方は、それに幾らか足されて、色々なものに消費していただくのが、最もいい』発言。その一方で、自分が受け取るかは、なおも明言を避けています」

増田

「そもそものスタートの時にハッキリしなかったんですよね。生活弱者対策なのか、景気対策なのかという事からして」

野中

「やっぱりね総理がね、自分が貰うか貰わないとか、何回も言葉が変わるのはおかしい。この給付金そのものの理解が出来てないからですよ」

御厨

「本当に国民が給付を待っているのかどうか、朝日新聞では60%、NHKでは80%の国民が『給付金はいらない』と言ってるわけですが」

増田

「国民の気持ちとしては、色々ぶれてる総理の発言を見てますから、やっぱりおかしさを感じてるんだと思いますよ。普通もらえれば、それなりの支持も集まるんでしょうけど、今回については、バラマクという印象がありますし、国民の皆さんも懐疑的に見てるんじゃないでしょうか」

― そして、解散は?
増田

「私はね、予算が通ったら速攻で解散して欲しいと思ってるんですが、無理でしょうね。たぶん9月までダラダラ続いて、追い込まれ解散の可能性が高いんじゃないかなと私は見ます。ただ大事なことは今度の選挙というのは総理を選ぶわけですよね」

御厨

「そうですね」

増田

「ですから、その『胆力』とか『洞察力』とか、それから『謙虚さ』とかね。そういったことを全部、総合力を判断して、とにかく私は真剣に1票を投じたいと思ってるんですが、どうも麻生さん、小沢さんという選択を国民は不毛な選択と思ってる節もあるわけで。ですから、この選挙で、何か次に繋がるような芽を出して欲しいなと思います」

野中

「給付金の取り扱いが解散の芽になるかもしれません。これを潰したら民主党も得点になりませんし、だからどういう知恵を第2次補正に出してくるかが1つの局面だと思います。後はね、何やかんや言いながら、結局、任期満了まで行っちゃうんじゃないかと」

御厨

「なるほど」

野中

「けれどもその中間に6月に、東京都議会の選挙があるんですから、こういうものを踏まえながら、やっぱり私は選手交代で新しい精神で総理を選んで、選挙を迎えて欲しいなと思います」