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第二三四回 ('09年1月4日放送)
  「明日から始まる」
  〜号砲一発 選挙イヤースタート〜
  ゲスト: 塩川正十郎 氏 / 藤井裕久 氏

― 渡辺喜美氏が、造反。しかし処分は「戒告」…
御厨

「渡辺さんが『今の閉塞状況を打破するには解散総選挙しかない』と民主党が提出した『衆院解散要求決議案』に賛成。造反しました。これに対し自民党が出した処分は「戒告」という軽い処分でした。この出来事を塩川さんは、どうご覧になりますか?」

塩川

「渡辺さんが言ったように『総理はチャンスを失った』と私は思います。所信表明演説をやって、代表質問を受ける。そこで話し合い解散をした方が、私は良かったと思うんです。そういう機会を失ってしまいましたね。ただ『戒告』という処分については、党に統制力が無くなったことの表れかなぁと感じます。もう少しけじめとして、ハッキリ処分すべきだったと」

御厨

「仮に塩川さんが執行部だったら、どういう処分を?」

塩川

「私なら『役職停止・2年間』ぐらいは、主張しますね」

御厨

「藤井さんいかがでしょう?他党の事とおっしゃらずに(笑)」

藤井

「私は渡辺さんの言われた事は、全く正しいと思います。ただ、自民党の中での話ですからね。仮に離党されれば、その時は、国民新党だとか、社民党さんと、同じ次元の方になるわけですが、まだ、そういう事にはなってないので、ここでは何も申し上げる気はありません」

― 自民党内で、色々な「旗」があがっているが?
塩川

「これはね、この旗が戦国の時代のように、大将がおって、その下に武将がおって、武将がそれぞれの作戦、政策を言ってると。そういう格好であれば良いんですね」

御厨

「といいますと」

塩川

「旗をあげてる人は『いずれ自分たちが目立つようにしたい』と『自分たちが芽が出るようにしたい』と、自分らのポストの狙いを定めて、そこに向かってる。もし、そういう気持ちが強いならば邪道ですね。それならば、なんで党内で議論し尽くして方向を決めないのかと私は思います」

御厨

「なるほど」

塩川

「武将が色々おりますがね、この方々に『日本を将来どう持っていこうか』というビジョンはあるんですかね。当面の政策に対して色々議論は言ってます。けれども『日本のビジョン』どこに引っ張っていくかという政治家の最大の使命については、さっぱり言ってませんね」

御厨

「そうですね。割と限定された政策の部分について旗をあげてる。その全体性が見えない」

塩川

「本当に国民を移動していく、引っ張っていく原動力になるような、機関車になるような意見は出てこない。これが私は残念なんです。だから党内でもう一度ですね。みんな集まって相談し合うほうが良いかと思います」

― 相次ぐ派遣社員の解雇に…
御厨

「派遣を切れば固定費が減るという考え方。これは塩川さんそうなんですか?」

塩川

「それは違う。確かに効果はあると思いますけどね。私はこの際、政府が派遣に対応する政策を色々考えてますけど、経済界の人達に、実業人として『どんな事をやれば良いと思いますか?』と知恵を出させたらどうですか?クビ切るだけやってるのでは、あまりにも無責任だ。企業の社会的責任ってありますからね」

御厨

「そうですね」

塩川

「『どうすれば良いのか言ってくれ、言ってくれたら政府としてはそれをやろうじゃないか』と。ここに一体感が出てくると思うんです。そして政府は、経済政策をあれやこれやと、あんまり官僚的な発想から言っても駄目!」

藤井

「私は、やはり雇用政策を直すことだけはやらないといけないと思うんです。製造業の派遣を認めた。その結果どういう事が起こったかと言うと、簡単にクビを切れるんですよ、派遣だから。そのような色んな欠陥を直さなきゃいけないと思います」

塩川

「企業の経営者がもっと社会的責任を痛感してもらいたい。雇用だけじゃなく、物価に対しても。これが非常に薄くなってきておる」