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第二二三回 ('08年10月19日放送)
  「ラストチャンス麻生丸」
  〜この先どうなる〜
  ゲスト: 塩川正十郎 氏 / 片山善博 氏

― 抜本的見直しはどうなった!?後期高齢者医療制度
御厨

「抜本的見直しと言いながら、結局、天引き。その上、徴収ミスもまた出る。ちょっと酷いですね」

片山

「これだけ世間で問題になって、後期高齢者の皆さんが不安になっている時に、最新の注意をしなければいけないのに」

御厨

「そうですよ」

片山

「そもそも元が皆さんに理解されないままスタートした制度ですから、現場の方も必ずしも当事者意識がないんだと思うんですね」

御厨

「はぁ〜当事者意識がない・・・」

片山

「それから、見直し案の話がいろいろ出てきますね。当の大臣が抜本改革を示唆したこともありました。そうしますと、現場というのは、『あっ、もう変わるのかな』とか、今の制度に対する信頼がなくなってしまうんですね」

御厨

「そうですね。舛添大臣も麻生総理もどうも発言が変わって・・・総理大臣の言葉としてちょっと軽くないですか?」

塩川

「本当に分かってないんじゃないかと思うんですよね。だからその都度、勉強して『あっ、これはまずいな。こう変えたらどうだ』と直感的に言っている。 ですから発言そのものに覚悟と根拠をもって言っているわけじゃないと思うんです」

片山

「『綸言汗のごとし』って言葉がありますよね。皇帝が発した言葉は、汗と同じで元に戻らない。善し悪しは別にして、必ず貫徹するんだと。 それが一定の国民や周辺に信頼感を呼ぶわけです。ところが、コロコロ変わるのでは、かえって不安を増幅しますよね」

塩川

「私は、この問題は、本当に根本的に改正しなきゃならんと思うんです。というのも、国民健康保険が発足してから40年経っているわけですね。 時代の流れの中で、絆創膏を貼ったような、その都度、その都度の改正をしてきた」

御厨

「絆創膏ですか」

塩川

「その改正は全部、財源の辻褄合わせのためにやってきたのであって、制度の根本にメスを入れていない。ですからこの際に、少し時間をかけても良いから、根本的にやり直す必要があると思うんです」

御厨

「そうですね」

塩川

「その間の繋ぎ合わせとしては、臨時に保険料の負担を金持ちの人にしてもらうのはどうだろうと・・・ 若い人も年寄りも全部入れて、例えば、1000万円以上所得のある人は保険料を負担して欲しいと」

御厨

「なるほど」

塩川

「その代わり、2〜3年で根本的にやりかえると。税金をどの程度入れて、その他は、保険料でこのぐらいするとか、そこらの区分を明確にしたならば、 納得してくれると思うんですがね」