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第二一六回 ('08年8月31日放送)
  「どうも雲行きが…」 〜太田大臣、今度は事務所費で〜
  ゲスト: 藤井裕久 氏 / 堺屋太一 氏

― 太田農水大臣。 今度は事務所費問題…
堺屋

「大臣になるとこういうことが問題になるのが分かっていて、どうして太田さんは事前に処理していなかったのか不思議なんですね(笑)。だから、おそらく自分が大臣にならないと思って安心していたんじゃないですか」

藤井

「大臣になる方もなると思わないし、任命する方も考えていなかったのかもしれませんね。ちょっとルーズな気がします。特にこういう問題は、ここ数年、非常に問題になっているわけですから」

御厨

「農水省は、昨年から、松岡大臣、赤城大臣、遠藤大臣と、お気の毒という感じですね…」

藤井

「農水省は全くモラルを失いますよね。どうせ来ても、また1ヶ月ぐらいで大臣辞めるんじゃないのと。今、農業政策は、ドーハの問題など、非常に大事なことが、いっぱいあるわけですからね」

御厨

「大臣の失言や問題は、総理退陣につながるパターンが多いように思いますが…」

堺屋

「内閣を見ていると分かるんですが、緊張感が緩むんです。緊張しているときは、閣僚の行動も非常にキチンとしています。     ところが政権末期になってくると、次のことを考え出すから、大臣が緩むんです。人選も緩みます。各派閥も『今のうちにこの人を入れてくれ』とか(笑)」


― 民主党から離党者が…
藤井

「この男性2人は、比例区で選出されたんですね。ですから有権者の方からみれば、民主党に入れたんだということですから、離党は、有権者に対する裏切りだと思います」

御厨

「これは自民党が動きだしたと言うことになるんですか?」

堺屋

「いや〜裏話はちょっと分かりませんが、民主党というのは、色々な人が集まって1つの政党をつくっている。敢えて言えば、ルーズベルト時代の少数派大連合なんです。だからどうやってまとめていくのか、やはりルーズベルトクラスの政治家が必要な政党だと思うんです」

御厨

「なるほど」

藤井

「私が民主党の若い人達にいつも話すのは、自民党だって昔は大変だったと。例えば、鳩山さんが日ソ交渉の時の、吉田自由党系との関係。また一般消費税で大平さんが負けた時、福田さんと大平さんは同じ政党なのに本会議に2人の総理候補を出した。だけど、まとまっていったんです。そのへんは、自民党のしぶとさを見習えと(笑)」

御厨

「堺屋さん、自民党はしぶといですか?」

堺屋

「自民党は、政権を取るための組織ですから、政権を取りたい人が集まっているんです。そのつど『俺が』という人が対立したけれども、社会党に渡さないために結束しているところもありましたし、それなりのコンセンサスで日本の復興、成長はやってきた」

御厨

「そうですね」

堺屋

「ところが転換ができない。これでは改革はできないですよ。ここが今、一番、自民党が困っているところなんですね」