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第二〇七回 ('08年6月29日放送)
  「あれもこれも上がっているのに」
  〜動けない「無策」の中で〜
  ゲスト: 藤井裕久 氏 / 片山善博 氏

― 「居酒屋タクシー問題」の病理
藤井

「本当に怒り心頭という感じですね。福田総理も、信賞必罰、悪質公務員は徹底的に処罰するぐらいおっしゃっても良かったんじゃないかと」

片山

「私は、この問題は、霞ヶ関の人、今の病理の表れだと思うんですよ」

御厨

「なるほど」

片山

「要するに、税金を使ってタクシー会社にお金を払う訳ですよね。そして、その一部が官僚に環流される訳ですね。税金だから、これはいけないんですよ」

御厨

「そうですね」

片山

「実は、霞ヶ関では、もっと違うところで税金を投入して、それが官僚とかOBに環流されるシステムがあるんです。それが『天下り』だとか『天下り法人』とか、そこに税金を投入して、その一部が天下りしたOBの給料になったりする。構図としては一緒なんです」

御厨

「国交省は、2ヶ月間タクシーチケットを廃止すると発表しましたね」

藤井

「廃止するというのは、目先のような感じがしますね。適正な管理で、勤務体制をもっと真っ当にするのが、1つ根っこにあるように思います」

片山

「役所は、すぐにこういう反応をするんですね。民間の皆さんと酒を飲んで不祥事があったら、もう一切付き合わないとか、180度態度が変わるんですよ。今までデレデレだったのが。今回も、使いたい放題から、一切使わないと」

御厨

「そうですね」

片山

「そうは言っても、タクシーで帰らないといけない人は出てきますから、ちゃんと管理をすることが大事なんですが、管理が出来ないことを自ら告白しているようなものなんですね」

― 中川氏ら「上げ潮派」と与謝野氏ら「財政再建派」の対立は?
藤井

「よその党の内部の争いは、あまり言いたくないんですが。インフレは絶対にいかん!と中川さんのグループには申し上げたいんです。成長のためにインフレを是認することは、一番怖いことです。お年寄りが、老後のために貯めた貯金もドンドン目減りする」

御厨

「なるほど」

藤井

「また、財政健全化も大事ですが、それがすぐに消費税に行くんですね。これが問題で、与謝野さんのグループには、そうじゃなくて、天下りや、その他ムダがいっぱいあるんだよ!と言いたいですね」

片山

「私は、中川さん、与謝野さんが政策論争されるのは、良いことだと思うんです。ただ、政策集団として、議論がなされなくてはいけないんですけど、何となく背後に、財務省だったり、あるいは反財務省だったり、なんか役人がサポーターに付いていて、それが見え隠れする。やはり、政治家同士の政策論争にしなきゃいけませんね」