野中 |
「給料は、上がらないのに、商品の値上げはずっと続いていく。小売店も製造元も苦労しているんですね。これは本当に、『150日間何してたんだ』というような国会の渋滞ぶりにも、問題があると思いますね」 |
渡部 |
「昔は、食べ物が世界中に余って、日本で言えばアメリカが、食べ物を『買え、買え』というのを、いかにして買わないかという感じだったが、今は、インドをはじめ世界各国で、食べ物の『輸入制限』ではなくて、『輸出制限』なんて話が起こってきている」 |
御厨 |
「そうですね」 |
渡部 |
「これは、世界中の人類が深刻に考えなくちゃいけない問題。やっぱり安全保障。防衛も大事だけど、安全保障の基本は、食料の安全保障ですよ」 |
御厨 |
「1974年のオイルショック、狂乱物価を思い出す方も…」 |
野中 |
「あの時は、受け皿になる隙間産業があったと思う。非常に病院が増えた、老人ホーム、ファミリーレストラン。こういうものが一挙に出てきて、失業者の受け皿になっていきましたね。やっぱり、働けばどうにか食えるという状況を作り上げなければ、これだけ自殺者も多い。非常に政治をやる人達の責任は重いと思いますね」 |
渡部 |
「オイルショックは、田中内閣の時ですね、中東戦争が起こって、原油価格が6倍に上がって、日本も物価高。当時、私は政権政党にいたわけですけれども、やっぱり政権政党がその責任を負ったわけです。今度のエネルギー問題は、必ずしも、政府だけの責任ではないけれども…」 |
御厨 |
「国際的問題ですね」 |
渡部 |
「しかし、ガソリンはね、政治の力で安くしてあげることが出来たのに、せっかく『ガソリン安くなった』と思ったら、1ヶ月も経たないうちに、また上がっちゃうんでね。やっぱり今の政府は、庶民の生活に対する深刻な責任感がないという現れですね」 |