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過去の放送 出演者 時事放談「サロン」 テレビプロデューサーの日々
 
 
第二〇六回 ('08年6月15日放送)
  「国会が終わると何が起きるのか。出でよ憂国の士」
  〜混迷国会閉幕で、これから〜
  ゲスト: 野中広務 氏 / 渡部恒三 氏

― 「居酒屋タクシー」に、喝!
渡部

「これは、ひどい話だよな〜」

野中

「今、なんでこんな話が出てきたのか分かりませんが、ひとつは規制緩和で、料金割引をタクシー会社がやりだした。そうなると、深夜に固定して帰ってくれるお客さん。運転手は、苦肉の策でやったんでしょうね」

渡部

「ねじれ国会というけれど、参議院で野党が多数を取ったから、こういうものが明るみに出てきた。これまでは、隠されていた問題が明るみに出てきたことは、日本の政治の改革のためには良いことだと思います」

― 止まらない!?物価上昇
野中

「給料は、上がらないのに、商品の値上げはずっと続いていく。小売店も製造元も苦労しているんですね。これは本当に、『150日間何してたんだ』というような国会の渋滞ぶりにも、問題があると思いますね」

渡部

「昔は、食べ物が世界中に余って、日本で言えばアメリカが、食べ物を『買え、買え』というのを、いかにして買わないかという感じだったが、今は、インドをはじめ世界各国で、食べ物の『輸入制限』ではなくて、『輸出制限』なんて話が起こってきている」

御厨

「そうですね」

渡部

「これは、世界中の人類が深刻に考えなくちゃいけない問題。やっぱり安全保障。防衛も大事だけど、安全保障の基本は、食料の安全保障ですよ」

御厨

「1974年のオイルショック、狂乱物価を思い出す方も…」

野中

「あの時は、受け皿になる隙間産業があったと思う。非常に病院が増えた、老人ホーム、ファミリーレストラン。こういうものが一挙に出てきて、失業者の受け皿になっていきましたね。やっぱり、働けばどうにか食えるという状況を作り上げなければ、これだけ自殺者も多い。非常に政治をやる人達の責任は重いと思いますね」

渡部

「オイルショックは、田中内閣の時ですね、中東戦争が起こって、原油価格が6倍に上がって、日本も物価高。当時、私は政権政党にいたわけですけれども、やっぱり政権政党がその責任を負ったわけです。今度のエネルギー問題は、必ずしも、政府だけの責任ではないけれども…」

御厨

「国際的問題ですね」

渡部

「しかし、ガソリンはね、政治の力で安くしてあげることが出来たのに、せっかく『ガソリン安くなった』と思ったら、1ヶ月も経たないうちに、また上がっちゃうんでね。やっぱり今の政府は、庶民の生活に対する深刻な責任感がないという現れですね」

― 戦後初!?総理大臣への問責可決
野中

「なぜ11日に、問責決議案を出したのか。2時半に出した、3時からは党首討論が予定されていた。この党首討論をさけるために、参議院に突然出したと。国会法の中で、こんな汚点を残すようなことはない」

渡部

「確かに、ガソリンが衆議院の2/3で再可決された、あそこで出すべきだったね。だから、出すタイミングがちょっとずれた」

野中

「ちょっとどころじゃないよ」

渡部

「しかし、これは参議院で内閣不信任案が通ったのと同じことなんですよ。しかも、参議院は去年の7月に選ばれた人たち、衆議院は3年前。ですから、政治の常識からいえば、当然、内閣総辞職か解散をすべきなんですよね」