時事放談 トップページ 毎週日曜あさ6:00〜6:45
過去の放送 出演者 時事放談「サロン」 テレビプロデューサーの日々
 
 
第二〇四回 ('08年6月1日放送)
  「なぜ自民党は、私たちに正面から向き合おうとしないのか」
 〜天引きまであと2週間〜
  ゲスト: 塩川正十郎 氏 / 武村正義 氏

― 「後期高齢者医療制度」に怒る!
武村

「保険制度は、老いも若きも、健康な人も病気になった人も、みんながお互いに助け合う、相互扶助の制度です。それが、殆ど病気がちのお年寄りだけで、独立王国をつくって、病人だけで保険やれよというのでは…」

御厨

「そうですね」

武村

「これは保険としての体を成してない。制度として根本的に矛盾がある。だから、世界中どこも、こんな制度やってない」

塩川

「まあ、結局、保険の財政がもたないから、どうしたら良いかと、机上の空論をやり出したんですね。ようするに、算術遊戯やな」

御厨

「なるほど、算術遊戯。でもこれが、孤独感を与えることになる…」

塩川

「僕はもっと素直に、『これだけ不足するから、保険料を負担して欲しい』『しかし、困っている人、低所得の人はいいですよ』、ただ『少し所得の高い人は、すみませんが負担してくれませんか』と、言うべきだと」

― この制度、『運用の見直し』だけでいけるのか?
塩川

「いや、これね、運用を見直してみて、緩和措置をとっても、75歳以上のおじいさん、おばあさんが、ドンドン増えちゃうんですね。そうすると、また行き詰まってしまって、また、今度ちょっと変えようかという風になると思うんです」

御厨

「う〜ん」

塩川

「だから、そうじゃなくて、社会保障というものを、GDPに対して、何パーセント持ちましょうと、そういう大枠を決めて、その財源をどうするか、それを消費税でやっていきましょうとか、大きく社会保障全体をどうするかという問題を考えなきゃ、今までの延長線の見直しだけではいけないと思いますね」

武村

「前の総理大臣がやった政策をかなり大胆に見直した例は、あると思うんですよね。小泉さんの時にできたこの制度を、今の自民党の諸君が、真剣に考え直してたっていい。また、こういう曲がり角だから、ある程度、柔軟に対応していかないと、日本の政治は良くならないと思います」