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 第一九四回 ('08年3月16日放送)
  「社会に揺れる政治」
  〜日銀総裁で大騒ぎ。騒ぎから見えることは〜
  ゲスト: 藤井裕久 氏 / ジェラルド・カーティス 氏

― 「日銀総裁」が決まらない…
カーティス

「どうして今週19日に切れる任期の1週間前まで、次の総裁候補の名前を提示しなかったのか?もっと前に出していたら、国民の前で、『こういう人なら良い、悪い』と議論して、上手くいったかもしれない」

御厨

「提示するのが遅すぎると」

藤井

「日本銀行というのは、通貨の安定をする場所です。伊藤さんはインフレターゲット論者で、学説としては立派だと思うんですが、通貨価値に関しては、ルーズな点が多いかと思います。武藤さんに関しては、日銀の独立性を守るために『毅然とした態度をとれるか』ということについて、非常に疑念があるんですよね」

カーティス

「私は、伊藤さんは金融の専門家で、アメリカの中央銀行総裁とも電話で英語で議論ができる意味では、伊藤さんはとても良いなと思ったんですが、問題は、やはり民主党が同意する人を出さないと通らないという現実を、自民党が認識していないということですね」

御厨

「衆参の同意が必要ですからね」

カーティス

「とにかく日本の憲法は、日銀総裁に対して、同意が必要なのだから、同意しない方がけしからんという言い方は、おかしい。参議院選挙で国民は、民主党を第一党に選んだ。『ねじれ国会』とか言って、なにか異常な状態で、これを否定して、『大連立』をやろうとかそういう事じゃなくて、この日本の政治の現実を認めた上で、やらなくちゃならないと思うんだけど、それが感じられない」

御厨

「なるほど」

カーティス

「このプロセスは非常に問題だと思う。『WIN WIN GAME(どっちも勝ち)』という言葉が英語にあるんですけど、自民党と民主党を見ていると、『LOSE LOSE GAME(どっちも負け)』で、いちばん損をしているのは、日本の国民だと思う」