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 第一三八回 ('07年2月4日放送)
  「もう改造が取り沙汰されるなんて…」

  ゲスト: 塩川正十郎 氏 / 御厨 貴 氏

夏まで150日の国会がはじまりましたが、始まったとたんにすったもんだです。少子化対策担当の大臣が女性を「子供を産む機械」に例えたり、また防衛大臣が、その発言をめぐってアメリカから真意を問われたり、そしてあの事務所費問題もまだまだ釈然としません。

こんなことばかりが続いていいのでしょうか。参院選を控え、選挙イヤーである今年、私たちは政治をどのように見定めてどう考えていけばいいのでしょうか。



― 柳沢大臣の「産む機械」発言は…
塩川

「柳沢さんて非常に慎重な人なんですよね。この人がちょっとやっぱりはめ外したような言い方したっていうことは問題ですね。しかし、すぐに大変だと思って謝っているでしょ。しかも、総理大臣も絶対こういうことやらさんように私が謝ると言ってるんだから…。野党の出方も審議拒否だっていうことしかやらないのは、ちょっと能がないなあと思いますね」

御厨

「この問題は結構根が深く…。軽々におっしゃったのかもしれませんが、どっかに、やっぱりこういう感じっていうのをもっているのは柳沢さんだけじゃなくて、男性はもっている人達がいるということなんですよね。それが出ちゃったというところが大きくて…。だから、これは他の失言とちょっと違って、やっぱり放っておくと自民党、野党も含めてだろうと思いますが、政治家の特に男たちにボディブローがきいてくる話だと思いますね」

― 柳沢大臣の辞任は…
御厨

「もう一つあるのは、前内閣の時に、失言とかなんとか称される問題についてマスコミも追求しなくなっちゃった。つまり、小泉さんが色んなことを言っても、みんな平気でそのまんま通してちゃってましたでしょ。だから、前内閣の時に多分そういう雰囲気で、多少のことを言っても、許されるというふうな雰囲気が出てきてるところにこの発言ですからね。だからそこは、状況がやっぱり潮目が安倍さんになって変わってきてるっていう状況、やっぱり読まなきゃいけなかったんだろうと思うんですよ」

― 過去の「失言」で記憶に残るのは…
塩川

「その時のタイミングなんですね。私の時もありましてね。就任早々『忘れてた』なんてとんでもないということで怒られた」

岩見

「ああ、官房機密費のね」

塩川

「しかしあれはちょうど、発足してすぐでしたしね」

岩見

「そうでしたね」

塩川

「何ヶ月かたってくると、内閣に対するイメージをということが野党がささってくるんですね。私は就任してまだ一週間ぐらいの時だった」

― 他にも「問題」が…
塩川

「緊張感ないですね」

岩見

「ないですね。これ、一番いかんですね」

塩川

「ええ。緊張感ないです」

岩見

「御厨さん、久間防衛大臣の発言は」

御厨

「防衛省になって気が大きくなってるところに、久間さんとしてはこれまでと違う、ご本人としては、骨の入った発言をしたいと思われたんでしょうが、言ってみると、結局はブッシュ批判とそれから米軍、アメリカの自由にはさせないというふうな、割とレベルの高くない発言になってしまっているということですね。だからそれは、今、塩川さんのおっしゃったように気の緩みっていうのは確かにあるんだろうと思いますね。もうこのぐらい言っても大丈夫だろうっていうね」

― 「内閣改造」という報道は…
塩川

「私はね、これもちょっとあわてもんやなと思いますね。マスコミの方が」

岩見

「私もそう思うんですね」

塩川

「だってね、安倍内閣発足してからですよ。中国行って、韓国行って、いわゆる暗雲を一応とりましたね。そして、予算だってですよ、うんとしめて国民は拍手喝采してるじゃないですか。教育基本法、それから防衛庁の省の昇格。出来ないだろうと思ってたら、すうすうすうといっちゃった」

岩見

「まあ、仕事らしいこともやってますわな」

塩川

「ええ、やってるんですがね、安倍内閣としてみた場合、どこにミスがあるかということ私は言ってやりたいと思うんです。この際、一回内閣全部肩をあわして、もう一回しめなおしてですね、がんばっていこうというね、喝を入れるというをやったら、それで清新になっていいんじゃないかと思いますがね」

― 民主党は…
塩川

「確かに私は民主党に対して、小沢さんどうのこうのやありません。民主党に対しては国民は信用していませんね。ころころころころ政策変えちゃうじゃないですか。だけど、マスコミ全体が、えんやさらで突き上げて一生懸命応援してますからね。何となく野党強いような感じもするんですけどね。国民じっとみたら、この人ら何やろうとしてるんやろうと、ちょっと私はそこらの信用の問題がかかってくると思いますがね」

御厨

「民主党は、かなり政策通といわれてる人達がたくさんいるんですけど、結果、しかし、出てくる政策っていうのは本当におっしゃるように執行部が変わるとコロッと変わりましてね、それで違うのができて…。で、なぜかえたかという説明がない。だからまた今度は違う商品がきたなっていうね、なんとなくその商品のあれをとりかえているだけっていう感じがしますから、ちょっと大変だろうと思いますね」




 
   
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