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 第一三四回 ('07年1月7日放送)
  「今年はどんな年か 〜安倍総理に」

  ゲスト: 中曽根康弘 氏 / 渡辺恒雄 氏

あけましておめでとうございます。
2007年のはじまりです。

実はこの2007年という年、かねてから政治の世界では2007年問題として懸念されていた年。団塊の世代の大量退職がはじまり、少子化と相まって高齢化がぐんぐん進み、このままでは年金などの社会保障制度がたちゆかなくなります。また政局含みの参院選も間近に控えています。安倍政権はどのような舵取りをしていくのでしょうか。

新年一回目の時事放談、経験を踏まえた数々の鋭い提言で名を馳せる中曽根元総理、そして政治記者として数々の政局を経験されてきた渡辺さんにズバリうかがいました。



― 今年のジャイアンツは優勝できますか?
渡辺

「わかんないですね。今年からセリーグでもプレーオフ入れるでしょ。3位以内に入って最後の決戦で、今度3位以内には入りますよ。いくらなんでも4位っていうことはない、今年は…。で、3位に入って、それからまたもう一遍決戦やらなきゃいけないんですから、最後の何日間かのふんばりで優勝かどうかが決まるんで。だから3位までには入りますから、優勝するかしないかという可能性はその時点でしか判断出来ないですね。それまでにケガ人が出てるか、去年みたいに…。去年はもうケガ人だらけでしょ、スタメンが。まぁ、今年多少補強しましたしね、さらに補強しますから」

― 中曽根さんの今年のキーワード「熟慮断行」
中曽根

「熟慮というよりも断行の方に力が入ってるわけです。今年は全体を通観すると暗雲低迷の年になるだろうと…。最初は地方選挙と参議院選で内閣の運命がある程度決まってくという。で、これをやるには安倍君が思い切って断行して、もう猪突猛進する意外にないと。そういう意味で断行力というものを大事にしたいと思ってる」

― 渡辺さんの今年のキーワード「原点回帰」
渡辺

「別に復古主義を言ってるんじゃないんで…。小泉さんが、少し破壊をやりすぎたでしょ。それから市場経済にしても原理主義と言われるような、競争至上主義から拝金主義にいっちゃった。それから議会に対しても、非常に乱暴な憲政の常用に反する解散をやりましたよね。それで刺客というやな名前だけども、いわゆるチルドレンを刺客にしてと、ああいうやり方。これは小泉さんに直接聞いたんだけれども、この手は二度と使えないと言ってましたね。そういう乱暴なことをしたと。だから僕は議会制民主主義の原点に返ってもらいたい」

「それからもう一つ、やっぱり家族とか国とか、その個人の道徳、まあ前にも言ったけれど、そういう原点に、やたらに競争至上主義じゃなくてね、秩序のある市場経済体制に戻してもらいたいと。だから議会ももう当然の議会政治。議会制民主主義という原則をふまえた上で、ああいう乱暴なやり方じゃなくて、正常化してもらいたいと思いますね」

― 外交 〜アメリカは
渡辺

「民主党が強いですよね。だから政権が移動して、民主党政権になる可能性がある。その場合、民主党の中にも穏健な保守派とリベラル派、要するに左派ですね。この対立がありますよね。どっちが天下をとるか。それから今言われている候補者の中に明らかにまあ反日というか、親日でない、候補者もいますしね。ブッシュは親日だったけども、今度親日的じゃない、日本をあまり重視しない人が大統領になられるとね、ちょっとやっかいだなあという心配はもってますよ」

― 外交 〜北朝鮮問題は
中曽根

「金正日という人もなかなかの強者で瀬戸際外交の名人ですね。今でも瀬戸際外交をやっておって、次々の手をまた打ってくると思う。ですから、あんまりその北朝鮮のご機嫌をとるような態度をとるのは、私はまずいと。やっぱり北朝鮮をなんとかやれるのは中国だけですよ。中国が石油と食料を供給しなければ、北朝鮮は干上がってしまう。一番おっかないのは中国ですからね」

「ですから、日本、アメリカ、韓国が中国とよく話をして北朝鮮を6カ国協議にもう一回帰ってきて、そして核兵器の開発をやめろ、長距離弾道弾もやめる、そういう方向にもってきて、それじゃあ、経済の協力もしましょうと。手を握りましょうと。そういう方向にもってくるのがやはり正攻法ですね。それやっぱり中国の力にかかっていると思いますよ。それをいかにうまく説得するかということですね」

― どうなる参院選
渡辺

「自民党の敗色濃厚ですよ。上手くいって一票かニ票、過半数を上回るかなぁ、与党が…。公明党入れてですね。で、もし割ったら、国会運営が非常にむずかしくなりますから、政界再編まで走ってもらわないと、安定した国会運営はできなくなりますからね。非常にぼくは危険な時期に入るおそれがあると思うんです。勝てばいいですけれど。勝つことはないんですよ。十何票は必ずへるんですから、自民党は」

中曽根

「地方選挙がまず4月にあって、それから7月に参議院選。地方選挙が先にあるときの参議院選は自民党はいつも負けている。なぜなら地方選挙で県会議員や市会議員になる人は力を使い果たしちゃって、参議院で働かないんですよ。ですから、地方選挙のある年は参議院はどうも駄目だと。まあそういう今までの経験と現在の政局に対する国民の関心、動向を見ると衆議院で勝ちすぎたと。この間296という。国民のみなさんは少し揺り戻しした方がいいなと。そういう感情が潜在的にあると思いますよ。そういう両方が重なりますとね、52とるのはかなりむずかしい状況になると」

「で、さっきおっしゃったように1、2席ですめばいいけれども、それも必ずしもそうとは言わん悪い時は44というとこまでいっちゃったわけで。ですから、これからの春の通常議会の政府のやり取り、政策の展開力、そういうものと小沢中心の民主党の攻撃力がどの程度上手くいくかと、その勝負がこの春の政治の一番急所ですね」

― 「小沢民主」は?
渡辺

「自民党の方が、なんだかんだいっても結束してるし、お互いに思想的な近似性がありますよね。民主党の場合は、小沢さんってのは田中角(栄)さんの申し子みたいな、金丸さんの直系でもある、保守の中の保守だった人でしょ。一方、横路さんってのは、社会党左派ですよ。お父さんの時代から、社会党の左翼ですよ。そういう人たちがみんな、菅さんのような市民派も一緒になって、ほんとうにごった煮ですよね。あれ一本にするの難しいですよ。だから僕はね、ある意味じゃあ、自民党は負けてもね、過半数割ってもあんまり心配しないんですよ。補完勢力が出てくるだろうと。むしろその方が、将来的には安定するんじゃないのかな、という気がしますね」




 
   
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