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 第一三二回 ('06年12月24日放送)
  「今年も終わり。来年はどうする」

  ゲスト: 塩川正十郎 氏 / 御厨貴 氏

この一年でもっとも大きな出来事といえば、総理大臣が小泉さんから安倍さんに変わったこと。しかし安倍政権中々難しいようです。このほど鳴り物入りで就任した政府税調の本間会長がすったもんだの末辞任しました。安倍政権なぜなかなか上手くいかないのでしょうか。そこで今回は小泉内閣のご意見番として活躍した塩川元財務大臣、そして議会政治の深い造詣から鋭く現在をご覧になる御厨さんにズバリお伺いしました。



― 6カ国協議は
塩川

「北朝鮮は、この6カ国との関係よりも、もっと深く、例えば中南米の方から石油を買うとか。あるいは、資金はイランとか中東から援助をもらうとか。そういうルートを新しく作ってきてるんじゃないかと思いますね。ですから、今まで期待しているような、このままの体制ではいずれ潰れてしまうから、どうしても援助を求めてくるだろうと思っておるけれども、北朝鮮はそういう新しい国際関係開いているんじゃないかと思いますね。だから、何もお前らのところにやっかいにならんでも俺達やっていけるよ。そういう自信もってるんじゃないかと。ですから、金融問題一点にしぼって、国情的な問題だから解消しろということ言ってるの。どうも私そんな感じがしてならんのですがね。どうでしょうか」

御厨

「そうなんですね。一点(金融問題)突破でそれ以外考えていませんから、そういう姿勢はここずっと変わっていなかったわけ。だから再開はしてみたものの状況は変わらず。それでしかも強いこと、つまり弱者の脅迫って結構強いですからね。これにやっぱりみんな負けてるっていう、位負けしちゃってる状況じゃないでしょうかね」

― 本間税調会長の辞任、安倍総理の対応は?
塩川

「安倍さんにしても本間さんにしても、キャリアの不足だと思いますね。私がもし首相だったら、官邸に呼びますね。で、本間さん、どうするんだと。あんたこんなん出とるがと。じゃあ、この部屋を出るときに自分の決断で辞めたっていうこと言いますな、と念をおして。出てからこれいうんだったらいい。『電話がありまして』って…、これはちょっと総理のガバナンスに影響してくるなあ」

岩見

「任命権者としてはちょっとはぎれが悪いですな」

塩川

「ちょっとね、ここらね、要するに安倍さんって正直すぎますね。ですから、自分が任命したんだから、責任を果たしてほしいと心は本当にそんなんです。しかし、一回呼んでみて話を色々聞いてみたと、なるほど、じゃああんたの決断でそれやりなさい。ということで、この部屋出たらそうしなさいと、こう私だったらそう念を押しますね」

岩見

「こういう時はやっぱり呼吸が大事ですよね」

塩川

「これはね、やっぱり政治はキャリアだと思うね」

御厨

「舞台づくりっていうかな、辞めていただく時にどういうふうにするかっていうことを全然考えてなかった。だから電話一本でしょ。電話一本っていうのは、今の政治家は割とよくやりますから、だからこれでいっちゃえると思ったんでしょうね。だけどやっぱり政治の世界って、私も垣間見るとそういうところでどういうふうに、押したり引いたりするかっていう場面を見せないと、やっぱりみんな腑に落ちないということになるんだと思いますね」

― 安倍政権の支持率低下は?
塩川

「なんかね、どっちいこうかどっちいこうかと、やってるでしょ。どうも、私はこういうてなんやけど、内閣全体の中にビジネスをやる、行政ビジネスね、ビジネスの流れがね、何かつまってるような感じ。スーっと流れでぐるっと上手く回転してないような。そんな感じがするんだね」

岩見

「滞っていますね。色んなことが…」

塩川

「アンタもそう思うでしょ」

岩見

「そうですね」

塩川

「ですから、発言のする場がないんですね。もっと発言させないかんですわ。安倍さんにですよ。何か発言が少ない」

― 安倍総理の「教育」に対する取り組みは?
塩川

「安倍さん自身が教育について発言してほしいと。これ(教育基本法)あがった時に、私のなかでちょっとものたらんなと…。しかし、前の教育基本法と違って精神的な要素がきちっと入ってる。公共の精神、道徳心涵養するとか入ってるからそれはよかったんです。ところが、すべてのことはこれからの教育進行基本方針という、そこに盛り込むと、逃げてますわね。これは大きい逃げ方ですよ。そこで、そこでですよ。総理大臣としてこれはやりますけど、例えばこれに関する第五条、第六条、および第九条の教員のありかた。こういうとこ一番大事なとこ。これの具体的なことはわたくしが責任もってやります。きちっとやります。だからわたくしは教育に生命かけますと。教育の安倍でいいじゃないですか。教育の安倍。あの美しい国へっていうの、あれ読んだら、まさに、教育はあんだけ主にいれて書いてある本ないですよ。だから何で教育基本法あがった時に教育は私にまかしてください。この空白のところは私が責任もって埋めます。いいと思う。再生会議みたいなのよりもね、これいいと思います。どうですか」

岩見

「いやいや、塩川さん、そういうこと多少安倍さんにアドバイスされたんですか」

塩川

「いやいややってない。ちょっと距離が遠いんですね」

岩見

「遠い。どうして遠いんでしょうか」

塩川

「やっぱり、あの官邸入ってしまうとね、中々言いにくいんですよ。ちょっと昼飯でも食いに来いっていうたら行けるけど(笑)そんな簡単に行けないやないか。そやからあかんねん、なかなかな。で、小泉の時なんか電話でね、パッパパッパって言ってましたよ。ちょっと距離が遠いです。これは私もね、言わないかんと、ちょっと一生懸命、安倍支えていこうと思ってるんですから、やらないかんと思ってるんですけどね」




 
   
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