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 第一三〇回 ('06年12月10日放送)
  「大丈夫か?『安倍政権』」

  ゲスト: 岡田克也 氏 / 藤井裕久 氏

新政権が発足して2ヶ月。新しい政治の効果を政治にも実感したいところですが、道路の話、そして復党の話など腑に落ちないことばかりです。一方でアメリカは大きく路線転換を始めました。日本はこのままで大丈夫なんでしょうか。



― 郵政造反組の復党は…
岡田

「小泉前総理はですね、土下座しているようなもんなんだから、許してやれと。私は、それは自民党の中の話でしょと。この問題の本質は有権者に対してどうなのかと。公約違反という問題ですね。

ですから、彼らを古い自民党だというふうにレッテル貼って、彼らを出して新しい人を入れることで、自民党は変わりますと。新しい自民党になりますっていうふうに、そこを売り言葉にして、選挙戦って、期待して投票した人も沢山いたと。で、それはどうなったのかと。一年たってもどして、じゃあ古い自民党に戻ったのか。こういうことですね。ですから、やっぱり、選挙における公約の軽さ、そしてその背景にある有権者を非常に軽くみてる、甘く見てるというね」

岩見

「やっぱり古い自民党に戻った、ということでしょうか」

岡田

「というより、去年の選挙そのものがね、まあ詐欺だったということでしょう。別に彼らが、もちろんね、郵政民営化に反対したけども、彼らを出すことで自民党が生まれ変わるっていう言い方そのものに大きな嘘があったと思いますね」

― 安倍政権の支持率低下は…
藤井

「ハッキリものをおっしゃらないということがこの理由になってますけどね。私は、今、政権維持のためにね、本音を隠しておられるというふうに人がみてると思いますよ。つまりね、あの方がですね、総理になられる前に言ってた、行動してたこととね、全然違うわけでしょ。例えば河野談話とか、村山談話に断固反対をしておられて、あれはいいことだと言われてますね。そういうことが一つあります。

もう一つね、もうじき本音がでるんじゃないのかと、という意見もあるわけですね。そういうのが合わさってね、今なんだかわかんないっていうけど、結局は、というところがですね、これだと思います。ですからね、あまり上がる余裕はないと思いますね」

岡田

「まあ、結局、その格差の問題という言葉で象徴されるようにですね、景気はいいいいと回復していると言われるんだけど、個人の生活は決してよくなっていませんから、そういうことに対する失望感。他方で、法人税の減税とか、そういう話でてるけど、個人にとっては負担増がどんどん続いてくると、そういう国民の感覚だと思いますね」

― 「いざなぎ景気」越えと言われているが…
岡田

「そんなに景気回復早くはじまったと誰も思ってないわけですよね。そもそも。つい最近まで、どうなるか分からんって言ってたわけですから。いきなり何か、いや実は回復ずっとしてきたんですよって言われても。ピンときませんよね」

― アメリカのイラク政策転換は…
藤井

「アメリカという国は、非常に懐の深い国だと思う。ですから、この国と基軸関係を結ぶのは正しいんです。しかし、同時に懐が深い国ですから、今の大統領みたいに、悪の枢軸だとか、ならずもの国家と言って、今アメリカがやってるのはアメリカ帝国主義だって言ってるわけですよ。つまり、武力でもって、自分の考えを押し付ける。これが帝国主義ですからね。

しかし、常識派もいるわけですね。現にパウエルなんていう前の国務長官は、テロだというけど、国によっては愛国者なんだよねとか、そういうアメリカにはね、深い懐があるんですね。それに対して小泉さんはもう今のアメリカだけが唯一絶対だと。それにくっついてった。盲従していった。安倍さんはもっとですね、日米関係を強化すると…。ある程度、基軸であることは当たり前なんだのにね、これで強化していったら、ますますアジアの信頼、孤立をしていくと…」

岡田

「ブッシュ政権追い詰められてるってことも事実ですね。それから父親の元大統領、ブッシュ大統領の周辺の人達の発言力が強くなってきたという感じしますね。ですから、これから少し期待できるんじゃないかと思います。やっぱり日本の外交っていうのは、まず日本自身の国益があって、それを踏まえたうえで、アメリカとどう付き合っていくか。もちろんアメリカは非常に重要な国ですが…。あるいはアジアとどう付き合っていくか。だからべったり、すべてあなたのいう側に立ちますよっていうのは、これ外交じゃありません。

まあ小泉さんは最後にいかれた時にもですね、真昼の決闘の映画を例に挙げられて、あの主人公は一人だったけど、アメリカは一人じゃないんだと、いつも日本はアメリカの側に立つんだと。聞いたアメリカ人はすごく奇異な感じもってますね。みんなが見放しているブッシュに、いつもブッシュの側に立つって、この人何言ってるんだっていうふうに平均的なアメリカ人は思ってるんじゃないでしょうか」

― 政治は真面目なもの
藤井

「私は、岡田さんを支えた時に、笑わないで下さいって言ったんですよ。もちろん岡田さんは笑いやしないと思ったけどね。それから、ワイシャツとねクールビズとか言ってるけどね、それはね、漫画なんですよ、そんなことは。そういう漫画じゃなくて、エッセンスはこれですよ。真面目さですよ。かならずね、良識あるね、日本人はそこをうけるはずなんですね。それを面白おかしくする、それが100パーセント悪いといいませんよ。何パーセントかあってもいいですよ。でもね、根っこはね、これ(政治は真面目なもの)ですよ。それで僕は岡田さんにそういっといて、まあ結局負けたからね。民主党というか岡田さんに対しての責任を感じてるんですよ」

岡田

「いやいや、私の責任…」

岩見

「そろそろ劇場型の政治はね…」

藤井

「やめてほしいんですよ」

― 安倍総理に一言
岡田

「まあ同じ世代ですからね、期待もこめてですが、やっぱりひるまず、逃げず、改革をしっかりとすすめてもらいたいと思います」

岩見

「期待はもてますか」

岡田

「ノーコメントです(笑)」




 
   
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