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 第一二九回 ('06年12月3日放送)
  「安倍政権とは何だ…」

  ゲスト: 森喜朗 氏 / 渡部恒三 氏

日本は今、大変景気がいいのだそうです。戦後のいざなぎ景気を超えたと聞きます。しかし生活実感とはかけはなれた好景気なのでしょうか。

年末を控えた街からはそのような景気の良い空気というのはなかなか感じられません。一方で永田町では復党問題をめぐってすったもんだがありました。安倍総理大臣もなかなか安倍カラーを出し切れていないようです。



― 世論調査では「造反組復党」に厳しいが…

「こういう問題は、世論はなかなか理解しにくいと思いますよ。だからもっと早くスッとやるもんなんですよ。大体、家を出て実家に帰った奥さん、本当に帰ってくるときにはスッと帰ってきます」

渡部

「9月の去年のね、選挙。これはまさにね、郵政民営化でやって、あれに反対した奴は悪い奴、しかも悪いやつだけでなくて、これ落とせって言って、刺客まで差し向けたわけですからね。それ、一年足らずでね、また戻ってくるってことになると、一体9月の選挙は何の為にやったんだってこと。これは国民の怒りはそう簡単に解けませんよ」

― 「踏み絵」というのは…

「今度帰ってこられた方々はね、恥ずかしいことだけど、最初は反対を投票して、それでまあ選挙になっちゃった。で、刺客までつけられて、それでも当選をしてこられた。で、その時の国会では党離れてましたけど、全部白票、白い票入れて賛成してるわけですね。そして後の安倍内閣が出来たときも首班指名で安倍と書いておられるんだから、それは簡単に考えるけどものすごい恥ずかしいことなんですね。そういう恥ずかしさを忍んでまで、我慢をして堪えて、そして復党したいっていうことは自民党にとっては、やっぱりありがたいことなんですよね。

自民党に入って一緒にやりたい。安倍さんにとっても一緒に安倍とやろうということなんだから、それは歓迎しなきゃいけないんだと思う。だからあまりそういう条件をつけないほうがいいっていうのは、青木さんなんかのご意見でしたけどね」

渡部

「土下座して、帰りたいなんていわれてね、だまって物申す。それだけでね、本当に、政治家としてりも人間として恥ずかしい面を受けて、それでなお戻らなくちゃならないのが不思議だものね」

― 安倍政権の支持率が下がっている…

「私はあまり支持率のこと言えないんですよ。私自身悪かったからね。だけど、悪かったから、何にもできないかどうかっていうのはまた別の話ですよね。少し党内にも若干さめた目がないわけじゃない。

というのは、スタートにあまりにも若い人たちを周りに固めすぎたりですね、その人たちが機能を果たしていないんですよね。党内への色んなネゴシエーションからね、そういうところが…。やっぱり、みんなの気持ちが少し薄らいでるのかなと思いますけれども。しかし私は参議院の選挙まではしっかり着実にやって、それでもこれだけの支持率あるんですから、慌てることはないと思いますよね」

― 経済政策に期待ができないという声もあるが…
渡部

「私ね、今、全国を歩いてるんですよ。水戸黄門にされちゃって、世直し旅。北海道から四国、九州までの遠く。ひどいもんですよ。地方のみなさんが今経済的に苦労してらっしゃるの。だからやっぱり、今政治に求めるものは格差是正ですよ。地域格差、生活格差、教育格差、いっぱいありますね。

ところが安倍君が内閣つくってから、こういう問題に全然真剣さが、取り組もうとする意欲が見えないでしょ。これは、国民のみなさんに知ってもらいたのは、景気良くなった良くなったって、毎日、新聞やテレビで言いますけどね、これはたまたま企業、特に大企業が決算で黒字だしてるので景気が良くなったっていう…。ところが、その大企業が黒字を出すためには、クビ切りをやって、それから地方の下請けをどんどんどんどん切り捨てて、地方と働く人たちの犠牲でたまたま企業が決算で黒字だしてるんですから。これを経済が良くなったなんて思ったら、これは政治家としての責任、大変。今ぐらい国民のみなさん、地方、特に地方のみなさんがね、経済的に苦労してる時ないです。毎日、毎日僕だって帰るの田舎に帰るの辛いぐらいです。あそこが潰れました。ここが潰れましたって…。これは、是非森さんにも今の安倍君のあまい認識を変えてもらいたい。国民のために」

「今はですね、小泉さんがずっとそういう改革の問題をやってきてましたから、一番大事な国の姿である憲法の問題とか教育基本法の問題とか、あるいは今の防衛庁の省昇格。これは基本的には民主党のみなさんだってほとんど賛成なんですよ。もっと自民党よりいいものつくろうとまで思っておられたと思う。ですから、それは同じ共通に与野党通じてですね、まあ社会党、共産党は別ですよ。共通のテーマを今まずやって、そして国の骨格をつくろう、それが美しい国になるんでしょうね。まあ普通の国でもいいでしょうね。それから次はやっぱり経済の問題、格差の問題に入っていく。そういう過程だと思いますよ」

渡部

「それは森さんね、逆だわ。今暮らしていけない人がいっぱい。やっぱり、生活。国民の毎日毎日の生活を守ってあげることが先で。もちろん憲法についても、教育についても、森さんと私共通した考えだと思う。これやんなくちゃなんない。しかし今は格差是正だ」




 
   
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