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 第一二六回 ('06年11月12日放送)
  「ブッシュ政権大敗、日本は…」

  ゲスト: 加藤紘一 氏 / 藤井裕久 氏

さて、風向きが変わってきてるのでしょうか。アメリカでは小泉前総理の仲良しであの人気者だったブッシュ大統領が選挙で大敗。代わってクリントン前大統領のヒラリー夫人が人気者となっているようです。

その一方で、日本の国会では核保有論議が何の疑問もなくされているという状態です。今、世界が大きくかわる中で、日本は一体どうしたらいいのでしょうか。



― アメリカの中間選挙の結果は…
加藤

「イラクだと思います。それ以外にないと思いますね。もちろん汚職もあるんだろうけれども、イラクであんだけ多くの米兵が死んで、で、大量破壊兵器がなかった。それからもう一つは、民主化するだろうといったら、宗派同士の内戦になった。ここまでくると、まあなんていいますか、ブッシュさんも認める酷い状態ですから、選挙結果は当然だと思います」

― ラムズフェルド国防長官が更迭されたが…
藤井

「当たり前のことだと思いますね。やはり私はもともとアメリカってのは非常に懐の深い国だと思っていたんですよ。で、よくぞやったと思いますね。今のお話のようにイラクであれだけ間違ったことをやった」

― アメリカとの関係は…
藤井

「同盟は大事です。アメリカが基軸国家でいいと思うんですがね、あまりに深くはいるとね、他の国が、だって百何カ国という非同盟諸国が反米を旗幟鮮明にしているわけですね。イスラムだって逆の立場です。そういう世界の情勢の中でね、あまりにはまりこんでるというのが、今の日本の状況ですね」

加藤

「あのブッシュさんと一緒に、イラク入りを決めたスペインの大統領は、総理だったかな、も早々と退陣させられたし、それからブレアさんも、もうきまっちゃったし、そして今度ブッシュさんも誤りを認めてラムズフェルド切ったし、日本だけ傷つかないで終わってるっていうのは、まあこれが日本だと思いますね」

― 六カ国協議は…
加藤

「北朝鮮が六者会談で核の問題を話すと、色々展開してきたら、他の国は色々考えなおすと思いますね。ただ日本だけは拉致があって、拉致の問題が解決しない限り、制裁は解かないということを安倍総理大臣が言い切っちゃいましたから、そこが他の国々と少し違って、解決がめんどくさい部分になると思います。案外これ言い切っちゃったことが、足かせにならなきゃいいなと思ってますがね」

― 核保有論議は…
加藤

「中川政調会長の発言で心配なのは、議論してもいいじゃないかっていう発言ではなくて、もつべきだっていう方向に、ほぼ近い発言なんですね」

岩見

「ちょっとそういうニュアンスがありますね」

加藤

「内容まで踏み込んでますからね。ですから、わたくし、そろそろぎりぎりだと思いますよ。特に今の安倍政権ってのは順調な滑り出しして、選挙でも勝ってますから、非常に我々にとってはいいスタートなんです。

ただこれが崩れるのは、この発言ともう一ついろんな官房副長官とか大臣がしゃべっても、それは一議員の発言ですからと言ってますね、個人の発言ですからと言ってますね。これを総理大臣が、個人の発言だから、いいんですよと言ってはですね、政治のルールが何もなくなっちゃうんです。だったらポストを辞めるか、辞めさせて、発言してもらわなきゃ。外務大臣が個人の発言なんかしたって意味ないんですから」

― 造反組の復党は…
加藤

「うーん、やっかいな問題を小泉さん残したと思いますね。で、復党組みによって参議院の選挙有利になるということを考えるだろうけどもと、小泉さん言いながら、既存のいろんな組織、例えば特定郵便局とか医師会とか、そういうものに偏っちゃいけないと、小泉さん言う。それはわかるんですけど、野田さんや平沼さん、それぞれの人がもってる票はね、正直いって十万票なんです。

特定局が野田さんにいれてる票は千五百票なはずですよ。多くて二千五百票。全国平均で一選挙区、千五百票ですから、そこまでもいってないかな。医師会は五百票ですから。だから五百票とか千票の話じゃなくて、野田後援会、野田支持票が十万票、くるか、まあ民主党にはいかんと思う、いかんのですが、みんなやるきがなくて三万票ぐらい減るか、この数字の話なんです」

岩見

「じゃあ、加藤さんも参議院選挙のことを考えれば、復党させたほうがいいとうお考えですか」

加藤

「復党っていうか、協力求めなければ、ガサっといきますよ」

岩見

「それはしかし、復党しなきゃ協力しないでしょ」

加藤

「いや、そこがね、上手く話するのが幹事長の腕だと思いますよ」

― 非正規社員が増えているが…
加藤

「来年はうちの社員じゃないかもしれないし、ライバルに派遣されてるかもしれないし、だから技術が身につかない。かならずこれね、日本社会に大きな問題になると思います」

藤井

「このね、格差社会ってのはね、これが非常に大きな理由だと思いますよ。もちろん社会保障の問題ありますが、これが一番大きいですね。そしてね、その為に例えばね、2000万以上の人はね、小泉さんになってね、18000人ふえてるんですよ。ところが300万以下の人はね、1600万人ふえてるんですよ。ということはね、あきらかに上から落ちてきてるんですね。これなんですね。わたくしたち、小沢さんはこう言ってるんですね。

要するに一般社員はね、もう終身雇用にすべきなんだよと、エリートの人はね、転々としたっていいけど。これ一つです。もう一つ我々で言ってるのはね、非正規だろうと正規だろうとね、同じ仕事やってれば、つまり同一労働、同一賃金にしなきゃおかしいと、これはもう一つ大事な二つの柱だと私は思っています」




 
   
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