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 第一二二回 ('06年10月15日放送)
  「点検!『安倍政権』」

  ゲスト: 塩川正十郎 氏 / 渡部恒三 氏

安倍総理の中国訪問はうまくいったようです。自らの政権の一番弱いところに果敢に挑戦し、一気に「路線転換」をはたしたことで中国は暖かく迎えてくれました。しかし、一方でタカ派だと思って安倍さんを支えている人達どうするのでしょうか。安倍さんの中で、一体今何が変わっていこうとしているんでしょうか。安倍さんの後見人でもある塩川さんと、数々の新しい政権の誕生をご覧になってきた渡部さんに思う存分語って頂きました。



― 北朝鮮の核実験は?
塩川

「自分の言うとおり交渉してくれと…。それには、産業振興、食料の供給、油の供給とかこちらの要求聞けってことなんですかね。それにしては、あまりにも尊大な態度ですね。もう少し、それらしく話合いをするっていう姿勢を示して、それやっぱり六カ国協議でそういう問題を出すっていうことだと思うんですよね」

渡部

「随分前になりますが、100万トン、人道支援ってことで米をさし上げるとき、僕は文句言ったんです。これで、核、武器の研究なんかされたらたまらないと…。それから医療品も…。こちらが人間の心をもってお付き合いしても全然そういうことが100パーセント全く通じない国だってことハッキリしましたね」

― 「北」の暴発は?
塩川

「ありますね。向こうは、つまり軍はそれ行けドンドンやってますからね。軍の空気ってそんなんじゃないですか。ちょうど日本でいうたら昭和4年、5年頃、満州人は怒るまい、行け行けドンドン満州へというような、ああいう雰囲気が国内にあるんじゃないでしょうか」

渡部

「そのようなことにならないように、これ神様にお祈りすることですかね。ただね、それを恐れておったんではますます彼らは乱暴なことをやってきますから、やっぱり毅然とした姿勢、堂々たる姿勢が大事ですね。やられるから、あいつらの言うこと何でも聞かなくちゃならないって雰囲気が国民の中にでれば、ますますやってくるっていうことです」

― 日本はいつのまにか「核」に包囲されているが?
塩川

「そうです。そこでですね。それはそれなりで日本の立場としてですね、主張することができると思うんですね。それじゃあ俺達もってことになると、ちょっと慎重に考えなきゃいけない状況にあると思いますね。ですから、そこはですね、外交で…。わたくしは、最近、岩見さんも思っておられると思いますが、日本の外交に政治が働いていないと思うんですよ。戦略も含まれてないと思うんです。とにかく事務的に処理するってことに走ってる。最近、非常に政治的に動いた外交官としては、大島っていう国連大使いますね。あれは立派でしたね。わたしは、この人がね、すごい外交官になると思いましたね。あんなけすばやく、やっていって、それで各国の連絡みつにして意見をまとめていくって、非常にダイナミックに動いたでしょ。ああいう外交官が出てこな駄目ですよ」

渡部

「やっぱり非核三原則ね、広島、長崎で、この地球で一番、被害を受けた日本、これはもう世界から核をなくす、核兵器をなくすということに徹するべきじゃないでしょうか」

― 安倍政権の評価は?
塩川

「順調にやってると思います。この調子で、閣内をきちっと統一してつかんで、で、そのチームワークというものをきちっと表にだすべきですね。というのはね、この内閣みましたら実力者とものすごい論客がおるでしょ。その他に、中に全く初歩的な人もおりますね。そうするとどうしても、閣議とかいうのはベテランの方の意見が引っ張りやすいんだとなっちゃう」

渡部

「まあ、安全運転ですね。だから小泉さんの場合は80点もつけられるし、40点もつけられる。ところが贔屓にしているものも、反対しているものも60点というのが安倍さん」

― 安倍総理の「路線転換」は?
塩川

「そりゃあね、わたしが今言ってることと、わたしが大臣になっていた時と、それは違うの当然のことなんです。俺の考えた通りやれと言うと、これは独裁政治ですよ。そこが民主的なんですよ。民主的だとそうならざるをえないと。それは何が基準かっていったら、やっぱり行政とか外交とかいうもの全部ですね、連続性、いわゆる継続性をもってなきゃならんというとこが問題。

だからといって、そりゃじゃあ、その継続だけの線上にあるかっていったらおかしい。そこを絶えず時期とチャンスを見てですね、改革していく意欲をもたなイカンけれども、いっぺんに180度かわるというのはできないですよ。それはやっぱりポストについた者と自由にモノ言えるのとちがう。わたしは今一番気楽にモノ言うとる」


渡部

「私が一番心配しているのは、政府与党である自民党の中に非常にタカ派的な考えが進んで、これでは困るなと思ってておりましたが、そういう意味では外遊の最初の国が中国であったり、その後のいろんな発言、ハト派的な発言は歓迎します。それが本心か、また悪い方に戻っちゃうのかはこれから大事ことで…。特に、やっぱりあの中国と今後さらに積極的に外交していく場合、歴史観の問題、靖国神社の問題、避けて通れませんね。それを全部こう棚上げ、今、しているわけでしょ。

国民にとってはやっぱりね、税金ですよ。消費税がどうなるのか、今の不公平な所得税がどうなるのか、そういう問題ね答弁してると、上手に、こういう研究した、ああいう研究したと、まあ秋頃になりますと…。秋頃ってことはつまり、参議院選挙終わってからっていうことですね。だから本当は国民の負担の問題なんかは一番大事なことですから、むしろ参議院の選挙の前に、俺はこういう考えだと、いうことでみなさんがたの意見を聞いて実行するんです。それをね、大事なことはみんな先送りという感じは否めない」

― 「教育再生会議」のメンバーは?
塩川

「私はいいメンバーだと思いますが、しかしこの人達が、本当に教育問題のですね、一番の問題点は何だということの意識をね、きちっと持ってくれてるかどうかですね。学校教育だけを取り上げられたら困るんですよ」

渡部

「今、塩川さんがね、学校教育の問題だけとりあげるのは困りますと、これ同感なんで。私は人づくりっていうの、いつも言ってるんですが、やっぱり家庭教育、社会教育、学校教育、これが三位一体になってつくるんで、私たちはやっぱり子供のころ思い出すと、よく私は言うんですが、私に一番大きな影響受けたの誰だろうと思うと、物心ついたころのおばあちゃんがね、『恒三、嘘をついてはいけないよ』とか、『ちゃんとおじぎをしろ』とか、申し訳ないけど、早稲田の大学院で、大変有名な教授にならったことなんか、みんな私忘れちゃったけど、やっぱ物心ついた時のおばあちゃんの話は全部覚えているんですよ。学校教育だけでありません。むしろ家庭教育、社会教育で人づくり、これをみんなで考えなきゃいけないと」




 
   
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